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【連れ子虐待・自殺教唆事件】「24時間以内に自殺しろ」妻の連れ子を自殺に追い込んだ男

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再婚から自殺までの経過

 ジャージやTシャツ、デニムという格好でいつも法廷に現れていた村山は、がっちりした体つきで、目つきはあまり良くなく傍聴席をキョロキョロと見回すこともあった。手の甲や薬指にはタトゥーが入っていて、やんちゃな雰囲気を醸し出している。実際、住吉会系の暴力団員だった時期があり、2008年には恐喝罪で懲役3年の刑が下され服役していた。都営住宅で由衣翔くんと2人で暮らしていたAさんが、村山と交際を始めたのは2011年6月、出所後すぐのタイミングだ。村山がAさんのアパートに転がり込んで来る形で、当時小学校高学年だった由衣翔くんを含めた3人暮らしが始まり、翌年3月、Aさんと村山の間にはAさんの次男、由衣翔くんの弟となる男の子が産まれ、4人暮らしとなった。ふたりは入籍し、村山は由衣翔くんと養子縁組した。証拠や関係者の証言によればこの頃はまだ、村山による由衣翔くんへの暴力はなかったという。

 村山は由衣翔くんへ暴力を振るったことについては認めたが、自殺教唆については争う構えを見せた。起訴状によれば村山は由衣翔くん死亡の前日の昼頃「24時間以内に自殺しろ、しなかったら、俺と弟が自殺する」等と言い、翌日6時半から8時40分までに由衣翔くんにベッドの柵にしばりつけたタオルで首を吊らせて自殺させたという。これについて「日常的な暴力はたしかにあるが、被害者に対して自殺をそそのかす言葉は言った覚えがない。『24時間以内に』というところ、これは言ってないし自殺させようと考えたこともない」と述べ、弁護人も「自殺は考えなかった。そうした発言もなかった」と主張した。

 しかし検察側冒頭陳述によれば、村山は「同居後ほどなくして」、由衣翔くんではなくまず「Aさんに暴力を振るい始めた」という。次男の妊娠中は控えていたものの、出産後にまた暴力が復活。そして、由衣翔くんが中学に進学したのちは暴力の矛先が妻から連れ子に移る。“しつけ”と称し由衣翔くんの顔面や身体を拳で殴ったり、蹴ったり、タオルでしばるなどした。Aさんが止めようとすると由衣翔くんの面前でAさんに暴力を振るった。由衣翔くんが中学2年生になってもそのような生活が続いたという。

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