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「天引き」される私のお給料 「手取り(てどり)」しか見ない女から進化するための金銭感覚

【この記事のキーワード】

天の正体その1:雇用保険、健康保険、厚生年金保険

お勤めしている職場がどんな所であったとしても、まず差し引かれるものは「雇用保険料」です。週に20時間も働いているだいたいの人が差し引かれます。普通に暮らせるほど働いた場合は確実に引かれると思っておきましょう。でも、これは内容が魅力的だし、わりと安いので、嫌がらないでください!

雇用保険とは、平たく言うと、仕事を失った時に国からお金をもらえる可能性のある保険で、一般的には「失業保険」という愛称で呼ばれたりもしています。会社が倒産した場合や、退職して他の会社を探そうか、という場合にももらえるかもしれないので、ありがたく受け取っている人はたくさんいます。ただし数カ月働いただけではもらえないので、退職を考えている人けれどもう少しでその会社で働いて1年が経つという人は、無理がなければ、もうちょっと頑張ってみましょう。保険料は0.4%。15万円の給料なら毎月600円が天引きされます。

次におおよそ30時間以上働くと差し引かれるのが、「健康保険料」と「厚生年金保険料」。これは、どちらか片方だけというわけにはいきません。

健康保険料を支払っていると、病院の受付で出す「健康保険証」を持つことができます。健康保険証があると、病院に支払うお金が実際の3割で済むので、お店の半額セールよりお得。病気やケガでお休みしている間や出産した時にもお金がもらえるようにもなる、奇跡のカードなのです!

厚生年金保険は、「払っていると老後にお金をもらえる」というイメージがあると思います。でも、働いている最中でも、病気やケガで障害を負った時にお金が出ることもある制度です。老後の「年金」ばかり注目されますが、「保険」の要素も備えているんですね。

どちらも、病院絡みの出来事や老後にはものすごい威力を発揮するので、保険料はやや高いです。2つ合わせて14%ほどなので、15万円のお給料でも2万円ほど天引きされます。ちなみに、40代になると「介護保険料」もセットで引かれるようになります。これについてはいずれお話したいと思います。

ここまでは、天引きされる3つの保険料を簡単に紹介しました。これら3兄弟を合わせて「社会保険料」といいます。

天の正体その2:所得税と住民税

残る「天」の正体は税金です。一定額以上働くと天引きされるのが「所得税」です。所得税の天引きは「源泉徴収(げんせんちょうしゅう)」という特別な名前も付けられています。水が湧き出る泉の源からお金を差し引くという印象を受ける言葉ですね。

所得税は国に流れて行き、医療や年金や介護、毎日歩いている道路など様々な用途に使われます。私達がお金を直接もらうイメージではありませんが、これは国の収入なので、無くてはならないものです。15万円のお給料なら2,150円です。詳しい計算方法は今後の連載でまたお話します。

そして、天引きされる可能性のあるものとして「住民税」があります。これは住んでいる都道府県や市町村に払うもの。給料から引かれる場合と、受け取ったお給料の中から自分で払う場合があります。金額は住んでいる地域と前の年の収入によっても違います。住民税についてはまた別の回で詳しく取り上げるので、今回は住民税を計算にいれません。ひとまず「都道府県や市町村に支払うもの」と理解していただければ結構です。

「25%引き」の感覚が生き延びるテクニック!

さて、なぜ実際に振り込まれるときにお給料が減っているのか、天引きの正体を簡単に説明してきました。

結局のところ、東京都在住、独身で40歳未満の人が15万円のお給料だった場合、雇用保険料、健康保険料、厚生年金保険料、所得税がトータルで16%ほど天引きされ、手取りは126,409円となります。

「お給料は15万円」という感覚で生活することはとっても危険です。さらに本来は、今回は省略した住民税も払う必要があります。「トータルでお給料の25%は自動的になくなってしまう」という金銭感覚を持って日々行動しましょう。

お金関係が残念なオトナ達は、いったいいくら社会保険料や税金に払っているのかを知らない人が多く、あとになって生活が苦しくなってしまうことが多々あります。世知辛い世の中で生き延びていくためにも、お給料が15万円ほどの方は「25%引き」の金銭感覚を少しでも早いうちに身に付けておきましょう!

※2016年7月1日時点での法令に則して記述しています。

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