連載

【連れ子虐待・自殺教唆事件】殴る蹴る、排泄制限、女装強要…再婚夫から息子への虐待を知りながら、離婚を拒否したのはなぜか

【この記事のキーワード】

 急いで帰宅したAさんを見て村山は「お前のためにこんなに必死で帰って来る母親がいる」と、由衣翔くんを叱りつけた。

検察官「由衣翔くんは自らの意志で自殺しようと思ったと思いましたか?」
Aさん「思ってます」
検察官「なぜ自殺を図ろうとしたと?」
Aさん「元ダンナが由衣翔に『生きたいか、死にたいか』と聞いた時『死にたい』と答えていたから……外に出れない状況で……」
検察官「被告人と由衣翔くんの関係以外で、由衣翔くんが自殺を考える事情、考えつくところはありますか?」
Aさん「知る限りではないです。中学校の人間関係で揉めたりはありましたが、死にたい、に繋がる問題を抱えていたとは思えません」

 学校に行かなく(行けなく)なった由衣翔くんと日中2人になるようになってから、村山はこのように精神的、肉体的な虐待を繰り返しさらにそれを撮影し、仕事中のAさんに頻繁に送りつけ、ときに電話をかけ、Aさんも追い込んで行った。この時期、村山がAさんに送ったメール、Aさんが村山に送ったメールが読み上げられ、由衣翔くんの写真がAさんのみに示されながら、尋問は進む。以下列挙する。

・由衣翔くんの小学生の頃の写真にタイトル『殺す』
・7月7日村山からのメール文面「あなたの器量(=裁量?)で食事用便させるならご自由にどうぞ、私は関係ない」
・7月14日村山からのメール文面「生活保護を受けるため離婚用紙をもらってきます」(結局もらってきてはいない)
・同日村山からのメール文面「由衣翔に関しては虫の量増やしておいた」(気が弛んでいるので、食べきれないほどの食べ物を皿に乗せたという意味。ある朝「ごはんを食べさせて下さい」と申告した由衣翔くんに村山が「誰も食べてないのに」と怒り出し、食べきれないほどの食事を与えたことがある)
・同日Aさんから村山へのメール文面「離婚だけはしたくないです」(村山は何度か離婚話を持ちかけていた)
・同日村山からのメール文面「ザリガニに構っていたら家庭が崩壊します」
・同日村山からのメール文面「案の定ゲロッたし。はじめからゲロっちゃうの分かりきってたけどね(笑)」(Aさん「食べきれない量ってことが分かっていて出して、由衣翔が戻したんだと思いました」)
・同日村山からのメール文面「小便までもらしよった」(由衣翔くんがおしっこをもらした写真あり)
・7月16日村山からのメール文面「なんで警察呼んだ」(Aさん「私が仕事に行っている時に訪問者があり、それを警察と勘違いしたんだと思います。由衣翔に暴力を加えているから警察が来たと思ったんだと思います」)
・同日村山からのメール文面「刑事だと思うよ、車乗って行っちゃった」

 村山は「次男とふたりで生活保護を受給しながら暮らしたい」と頻繁に離婚をちらつかせていてもいた。Aさんは村山の離婚申し入れ(という名の脅し)に対して、別れたくないとすがる返信をしている。

 普通に考えれば、無職の村山が次男の親権を得ることは出来ないだろうし、生活保護もすんなり受給申請が通るかなどわからない。Aさんは実家もさほど距離が離れていない様子であり、次男は毎日実家にて預かってもらっているほどだから両親との関係が著しく悪いわけではなさそうだ。村山は炊事や掃除洗濯などの家事を日常的に担当していたというが、長男に深刻な虐待を振るううえ、自分にも暴力を浴びせていた男と、どうして「別れたくない」と思っていたのだろうか。わからない。この後、弁護人からの質問でもそれは問われる。

1 2 3 4

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。