都知事選が31日に迫っている。各紙世論調査によれば、現時点での支持率は、小池百合子氏が優勢で、次点が鳥越俊太郎氏、続いて増田寛也氏となっている。当初優勢だった鳥越氏は、徐々に小池氏に差をつめられ、ついには逆転。7月21日に『週刊文春』(文藝春秋)で、過去に女子大生へ「淫行」を行ったという疑惑が報じられ、鳥越氏にとって大きな逆風が吹いているのが現状だ。次回の世論調査で小池氏の支持率が頭一つ抜けるのではないだろうか。
女子大生は当時20歳であり、これを「淫行」と報じた文春からは明確な悪意を感じる。しかし報道内容が事実ならば、鳥越氏の行為は性暴力であることに変わりはない。鳥越氏は同誌発売日に、記事の内容は「事実無根」「誹謗中傷」であるとして、名誉毀損と公選挙法違反の疑いで東京地検に告訴状を提出した。今後、事実関係は明らかになるだろうが、その頃には都知事選は終わっている。また文春が本件に関して、この一発で終わらせるとは考えにくく、おそらく次号に新たな「弾」を撃つのではないだろうか。その弾がどれだけ鳥越氏の支持率にダメージを与えるか計り知れない。
筆者の周囲では公示前から「投票できる候補者がいない」という嘆きの声が上がっていた。「投票したい候補者がいない」ではない。「できる候補者がいない」だ。消去法で考えれば、候補者全員が同時に消えてしまう。色も形もそれぞれ異なるが、どんぐりの背比べとしか筆者には見えない。せめて宇都宮健児氏が出馬表明を取り下げていなければ……と言いたくなるが、あとの祭りだ。私たちは、いま提示されているメニューから、次の首都・東京都の知事を決める必要がある。2020年の東京オリンピック・パラリンピックまであと4年。その頃、いったい誰が東京都知事になっているのか。今回の候補者ではない可能性すらある。
悲観的にならざるを得ない現状だが、とはいえ投票日はあと一週間ほどでやってくる。「投票しない」「白票を投じる」ことも意思表示のひとつだろうと考えるが、最低限、候補者の実績や政策は確認したい。結果的に、消去理由が増えるだけの徒労に終わる可能性があろうとも。
有力候補者3名の中で、気になる人物がいる。突然、立候補表明を行い、自民党から公認を得られずとも、立候補を取り下げなかった小池百合子氏だ。以下、すべての情報はインターネットで確認できるものだ。気になる方はご自身でチェックしていただきたい。
小池氏は1992年に日本新党から参議院に出馬し、初当選。その後5つの政党を渡り歩き、2002年に現在の自民党に入閣、環境大臣、内閣府特命大臣(沖縄及び北方対策)、防衛大臣を務めるなど、増田氏と並んで経験豊富な候補者のひとりだ。経歴を見れば、具体的な政策が定まっていない候補者や、到底投票する気になれない他の泡沫候補者に比べて投票先になりうる人物ではあるが、既にメディアでも様々指摘があるように、過去の発言からうかがい知れる家族観・ジェンダー観への懸念がある。