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18歳年下・無職・イケメントルコ人との“格差婚”は、なぜ破れたか/『破婚』及川眠子さんインタビュー【前編】

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「これが好き/これは嫌い」が明確

――日本で40歳を超えた女性が、20代の年下男性と結婚するって、まだすごくビックリされると思うんです。ましてやEさんは、見た目のカッコいい外国人。『破婚』を読み、嫉妬されることもあったのでは、と思いました。

及川 嫉妬じゃないと思うんですよね。彼は18歳年下でイケメンでね、でも金持ちだったら嫉妬するけど、うちはただの野良だったから、だから「怪しい」とか「やめなさいよ」という声が多かった。

――そうですね、結婚しているとき友人や知人から、「キャリアに傷がつく」「騙されてる」「モテないブスな中年女が見た目のいいガイジンにひっかかって」とか言われたと……。いま「嫉妬じゃないと思う」とおっしゃいましたが、そういう言葉の裏に「40代のくせに恋愛をいまも謳歌しやがって」という単純な嫉妬があるんじゃないかと思ってしまったんですが。

及川 いや、それが嫉妬なのかは分からない。「あなたのために」と言う人もいるよ。いや、あなたに相談してないんだけど、ってね、余計なことだなと思うだけ。なんだろうな、本当に私のためを思って言ってくれている人もたぶんいただろうし、でもなんか、それは人それぞれだからさ。別れたときは「ほ~らね」という反応もあったわけよ。「だから言ったじゃないの」みたいなね。「最初から(Eは)変な人だと思ってた」とか「あれはダメだ」とかさ。それはすごく多かった。「いや結婚生活は面白かったよ」って私が反論したとして、「でもあんなにお金取られて」ってくるじゃない。ただ、そこで「自分で稼いだ金使ってるだけじゃん。なかったら使わないでしょ」って言えばわりとみんな黙る(笑)。私が払いたかっただけだよ、っていうことだからさ。

――貢いだわけじゃないよ、と。

及川 人によってはね、「私だったらお金を貸してと言われた時点で別れる」っていう人もいたんですよ。この『破婚』を読んでいるうちにだんだん、「まだ貸すの!?」「まだやるの?」って思うらしい(笑)。でもこれがね、自分が親にも兄弟にもお金を借りられない、病気で働けない、っていう状況で、付き合っている男に「ゴメン! 貸して」って頼んで断られたらどうなのよ、って思うわけ。授業料とか水道代とかどうしても払わなきゃいけないから、っていうときに、金の貸し借りが嫌だから別れる、ってなったらものすごく傷つかないか? って。でも、そういうことを言う女というのは「男と女の立場は違う」って言うのよ。男だったら金を出して当たり前、女が出すのは変だ、っていう価値観を振りかざすのね。そういう価値観を持っちゃっているとさ、ちっちゃい額でも「私がこれを買ったのに」とか「私の方が多く払わされた」とプライドがずたずたになる女っているのよ。

私がEと離婚した後に付き合った男は、ドトールのコーヒーも、立ち食い蕎麦もワリカンだったの。それはすごく嫌だった。だったら私払うよ、って思うの。なんでかというと、やっぱりその価値観の違いで、私は貧乏くさいことが嫌い。いいのよ、男の年収が私の10分の1でも。高級寿司屋に行っても払えない、って付き合っていればわかるわけじゃん。じゃあここは私が払うよ、って。そうすると男が「じゃあドトールはオレが払うよ」とか「ケーキ代はオレが払うよ」って、それでいいわけ。そのほうがいいじゃない?

私が「貧乏くさくて嫌だな」と思うのは、たとえばね、そこそこ安い居酒屋に行って、金のことはキッチリしよう、といって3285円ずつ払う、みたいなね(笑)。そのあとドトール行ってもワリカン、みたいな。私にはそれが貧乏くさいの。

――女性のほうが全部払っちゃうと、男性が「プライドを傷つけられた!」として怒ったりすることもないですか?

及川 あるのかもしれないけど、私はあまり払ったことがないのね、普段は。というのも、誰かとご飯を食べにいくのは接待関係が多いので、そうすると全部、主催側が払ってくれる。これまでお仕事関係は年上の方が多かったし。あと、友達だと男でもワリカンなの。払ってくれようとしても、いやここはワリカンにしよう、って言う。で、私は年下の男の子とご飯食べる場合は大抵払うよ。

――それは年下だから?

及川 年齢が下だから、っていうより、自分より経済的に下だからっていう意識。

――友人関係ならそれでいいのですけど、恋人同士になるとどうなんでしょう?

及川 うん、恋人同士になると、大抵の男は女を支配しようとしたり口出ししようとするよね。それをしない男の方が珍しいと思うよ。私も仕事に口出す男もいたし……一番最初に結婚した男なんかはそうだったよね。

――それはこの本に登場する『一瞬で別れた人』ですか? Eさんと結婚する前に半年だけ婚姻関係にあったという……。

及川 そう、一瞬で別れた人(笑)。もう思い出せもしない人(笑)。

――そこが面白かったんですけど、離婚後、街中を歩いているときに顔見知りっぽい男から声をかけられて誰だか思い出せなかった、って。それが元旦那さんなのに。

及川 「おう!」とか言われて、誰だっけな?って(笑)。

――まったく記憶に残っていないんだなと……しかも最初の結婚のことはすっごいサラッとしか書いてないですし。それにしても、及川さんはずっと恋人が途切れないですよね?

及川 いま途切れてるよ。いまは休憩してんの。パターンが分かったの。男を数珠つなぎにすると、ダメな男が続くんだけど、一回休憩すると、まあ別にいらないや、っていうときにスッと良い男が来たりする。

たまたま今年の2月くらいかな、ツイッターで知り合った占い師さんに「男はできますでしょうか?」って聞いたら「眠子先生、せめて半年お休みして下さい」って言うのよ。「えぇ、なんで? 休んだら退屈じゃん」って言ったら「いや、一度フラットにするほうが気持ちが乱されなくていい」と。あとは「もうろくな男ばかり寄って来ないんですけど」なんて聞いたら「そうです、時期的なもので、基本は金目当てだったり、弱っちいのばかりくる。でも良い男には出会っていますよ。でも男たちは眠子先生が見ているところと違うところにいるから、気付かない」って言うの。「眠子先生が下を見てるうちに上を歩いていますから、上を見て下さい」って(笑)。

――じゃあもう次の誰かと出会ってはいるんですね。

及川 分かんない。まあ別にね。私は恋愛はしていない時期が一番気持ち的には安定しているからいいのよ。ただ、恋愛してると退屈はしない。まあネタ作りみたいなもんだからね。あははは。

――Eさんとの結婚の理由も、そんなことを書かれていましたね。

及川 まあ周りにウケるだろうということをね。

――良い男が実はいるけどそちらに目が向いていないと占い師さんが言っていたと言いますが、及川さんにとっての「良い男」ってどういう男性なんでしょう。本では「地位があって経済的にも余裕がある大人の男性には興味がなく、社会的にはみだしている男ほど惹かれてしまう」と……。

及川 うん、その傾向が強い。というかね、さっきの話にも繋がるけど、「私だったらお金貸してと言われたら捨てる」というような女もいるわけじゃない? だけど私は男に対して、経済的にどうのこうのだから好き・嫌いっていうのはないのよ。ただ見てくれにこだわってるの。身長180センチ以上ないと嫌、とかね(笑)。背の高い男じゃないと何だか嫌。そういうとこにはこだわるの。どんなに良い人でどんなに良い大学を出て稼いでいてもデブは嫌。真冬に汗かいているようなのは嫌、とかあるじゃない。

――性欲を刺激されない人だと無理ですよね。

及川 うん。私は声の高い男の人には性欲を刺激されない。

――セックスの時とんでもない声を出しそうだなって?

及川 アーーーーー!とかね(笑)。

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