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30歳、年収300万女性が「人生トータルでの支出を減らすため」にマンションを購入した結果

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ーー逆に、お仕事で破産した人を見ていて、投機的にお金を使うことに対する恐怖は湧かなかったのでしょうか。

豊田「収入の限界まで借り入れてしまうのは怖いですよね。仕事でも、相当な収入があるのに行き詰まっている方もたくさん見ています。私の場合は限界どころか、自分の支払い水準より借入金額をかなり下げるようにしないと不安でした」

――それが上限1,000万円の予算につながったということですね。予算のなかで、どのように物件を探しましたか。

豊田「将来結婚の予定もあるかもしれないので、貸したり売ったりできる物件と考えると、立地のよさは絶対条件でした。最初は大阪で人気の市営地下鉄御堂筋線沿線を狙っていたんですが、物件が予算を越えてしまって、断念。結局JR東西線の御幣島駅にしたんです。正直、考慮に入れてない路線でしたけど、御幣島駅は大阪で一番の繁華街の北新地から3駅。そこから徒歩7分で、梅田で遊んでタクシーで帰っても2,000円で着く。街としては準工業地帯ですし、それほど魅力はないんですけど、都心からのアクセスのよさが気に入りました」

 市営地下鉄御堂筋線は、新大阪駅 – 梅田駅 – 難波駅 – 天王寺駅を直線的に結ぶ大阪の主要な都市交通機関で、この沿線は全体的に地価が高めです。一方で、御幣島駅が指定されている準工業地帯というカテゴリーは、環境悪化の恐れのない工場が建てられる地域。住宅と工場が混在しているがゆえに、騒音などのトラブルが起こりがちだという一面もありますが、そのぶん地価も控えめな傾向にあります。

独身のままでも、結婚しても

豊田「結果的に、今のところは街の雰囲気よりも交通の利便性を重視してよかったと思っています。自分がひとりで暮らすにしてもそうですし、結婚したとしても絶対共働きだとは思っていたので、そうなると通勤時間は短ければ短いほどいいですよね。ただ、将来的に子どもができて外で遊びまわるようになると、ちょっと話はちがってくるかもしれません。私が住んでいるあたりは緑が少ないんです。子どもが育てば家も手狭になりますし、その頃には今の物件を貸すか売るかして、引っ越すつもりです」

――元々、一生住むつもりはなかったというお話でしたね。

豊田「もし結婚しなかったら、ずっと住んでもいいと思っていました。独身なら緑の多さよりも交通の便を重視するので住居に関してはこれといった不満なく暮らせそうです。物件を売ると考えた場合も、私が買ったマンションは既に築31年なので、そう値崩れしないと思うんです。ですから結婚して家族が増えたら、売却益なり賃料なりを資金の足しにして、新しい家を買うつもりでした。子どもを育てるために理想的な家を買おうとすれば、2,000万円か3,000万円はします。急に思い立って用意できる金額じゃないですよね。その場合も資産として家があれば助けになる。今のマンションは、私が移り住んでから空き部屋が残っていたことはないので、いざというとき売れない・貸せないリスクは、少ないと踏んでいます」

 30歳になったばかりの頃は、将来設計もはっきりしていない人が多いと思います。それは豊田さんも同じ。しかし、それで購入を諦めるのではなく、未来の可能性をシミュレーションし、いくつかの物件の活用方法を想定する考え方は、とても参考になると思いました。

 後編では、ローンの詳細から、結婚したばかりのパートナーと不動産の関係。そして将来、親の老後をどうするかという問題まで、ご家族にも参加していただいて聞いていきたいと思います。

(蜂谷智子)

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