一家総出のプロジェクトでマンション購入したアラサー女性に見る、「親ローン」で気をつけるべきこと

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「女ひとり、家を買う。」Photo by Amanda B from Flickr

「女ひとり、家を買う。」Photo by Amanda B from Flickr

 比較的若いうちに不動産を購入する場合、何らかの形で親からの援助を受けるケースは多いもの。今回はご両親からお金を借りて、30歳の若さで不動産購入に踏み切った豊田さんのインタビュー後編をお届けします。

 30代でマンションを購入した豊田さんの、不動産運用計画や物件選びのポイントは、前編で紹介しています。

 親から援助を受けたとはいえ、豊田さんは自ら計画を練って主体的に住宅を購入しています。そんな豊田さんを援助をしてくれた家族の意見は? 家持ちである豊田さんと結婚したパートナーの感想は? 豊田さんご本人と、豊田さんのパートナー、そして豊田さんのお姉さんの3人に、お話をうかがいます。

ーー“親ローン”というのが、気になりました。ご両親からお金を借りているということでしょうか。

豊田もともとは銀行からお金を借りようと思っていて、具体的な計画も立てていました。1,000万円までの物件なら、その時点までに貯めていたお金で頭金を払った後は、月々7、8万円の賃貸物件と変わらない出費で10年で返せるな~と思っていたんです。そのうえで一応親にも相談して『頭金もちょっとあるので、1,000万までの物件を買うつもりだ』と話したら、『そのぐらいだったら、私たちが貸してあげられるかもしれない』と、ありがたいことに親から言ってくれて

ーーそれは幸運ですね! 最近は景気の減退で、親世代も子どもを支援をする金銭的余裕がない場合が多いですから……。ご家族にお金を借りるとき、気をつけたことなどはあるのでしょうか。

豊田ちょうど仲介に入ってもらった不動産屋さんが、ご自身も住宅を買う時に親からお金を借りたそうです。そういう方は結構いて、親族にお金を借りる用の契約書も市販されているんです。その雛型を知人の弁護士に見てもらって、問題や気をつけるところはないか聞いてみたんです。弁護士からは、よくあることで全く問題はないけれども、贈与税関係の調査がきたときに、贈与されたわけでないことを、きちっと証明できる準備をしておくように言われました

 贈与税とは金銭の授受が行われたときにかかる税金で、贈与財産の合計額マイナス110万円×税率-控除額となります。たとえば親からの贈与額が1,000万円以下だと、177万円ほどの贈与税がかかってしまうのです。豊田さんの場合は贈与ではなく貸与なので、それがきちんと伝わるように、親子であっても現金を手渡ししたりせず全て銀行振込みにして、貸付と返済の証拠を残しているとのこと。また契約書通りに一定額を定期的に振込みして、きちんと返済していることを明確にしているそう。

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ーー親子であっても、金銭消費貸借契約書を交わすなど、手続き関係をしっかりする必要があるということですね。貸与なのに、高額な贈与税を払うことになってしまったら、たまりませんものね。

豊田「親相手ですがちゃんと利息も払っています。それでも銀行で借りるより低金利だし、親も定期預金よりはるかに利率がいいって喜んでくれていますよ(笑)」

豊田さんのお姉さん(以下、姉)私もちょっとだけ、贈与税に引っかからないくらいの額を貸しました。親からの資金で足りなかったら、役立てほしいと思って

豊田「いろんなところからお金を融通してもらって、晴れて購入したんです(笑)。自分が貯めた分と、親や姉から借りた分をあわせて、これだけあれば大丈夫だろうと思って購入を申し込んだら、意外と手数料が安くて、姉から借りたお金を余らせることができました

ー一家総出のプロジェクトですね! そこまで来ると。

豊田「そうですね。加えてその時から今の夫と付き合っていたので、物件を内見するときは一緒に来てもらったり……」

豊田さんの夫(以下、夫)「はい、ついて行きました」

ー一お付き合いしていた女性が、自分名義で家を買うのってどう思われていたのですか?

「もともと部屋の間取りを見るのが好きな子でしたし、27~28歳ぐらいから『資産運用、資産運用』って言っていたので、『とうとうやるか』という感じでした(笑)。ずっと物件を見ていたのも知っていますし、そういう面は僕より見る目があるだろうと思っていたので、あまり心配しなかったですね」

ー一その頃は、まだ結婚するかどうか微妙な時期だったんですよね。

「いえ。付き合うということは、結婚が前提だと思っていたので、長く続けば結婚するつもりでした。ただ、その時期は僕の仕事の状況的にまだ結婚を申し込む段階ではなかったので……」

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