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「保険証」は治療を受けるための会員証じゃありません。あなたの人生を助ける保険証3大パワー!

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パワー(3) 会社員の特典「傷病手当金」

「健保(けんぽ)」と「国保(こくほ)」が主な公的医療保険ですが、実は健保ならではの魅力があります。「会社員は簡単に辞めない方がいいかもね!」と思うほどです。

業務とは関係のない、個人的な病気やケガをして、3日間連続で会社を休んだとします。その後も復帰できずに長期的に仕事を休んだ場合、お給料はどうなるでしょう? 時給制ならもちろん、正社員であっても、会社側は給与を支払わなくてもOKということになっています。考えてみれば、仕事をしていないわけですから、休んだ日の分のお給料を計算して差し引かれることは当たり前であって、ブラック企業でも何でもありません。

でも、当然ながら生活費は必要です。収入が減ったり、ゼロになってしまったら生きていけなくなります。そんなときに助けてくれるのが、あの保険証です。

なんと、働けなくなった4日目以降から休んだ日数分、お給料の約3分の2を振り込んでくれるのです。1カ月働けなくなったとしても、お給料の3分の2くらいがあれば何とか生活は出来るという人は多いでしょう。しかも、働けなくなった4日目から1年6カ月までお給料の約3分の2がもらえるんです。なかなか頼もしいと思いませんか? これを「傷病手当金(しょうびょうてあてきん)」といいます。

もちろん、働けないことの医師による証明は必要ですが、入院している必要はありません。

「国保」の場合、原則的に傷病手当金がありません。フリーター、フリーランス・個人事業主などの人が働けなくなると本当に大変なので、その時のために、事前に作戦を考えておく必要があります。「フリーでも収入は変わらないし!」という軽いノリで独立するのは、困ったときの傷病手当金パワーをも捨てることになることをお忘れなく。

結論

(1)治療費が7割引きになる!(療養の給付)
(2)病院への支払い上限額を決めてくれる!(高額療養費)
(3)お給料の3分の2くらいのお金をくれる!(傷病手当金、ただし基本的には健保のみ)

以上が保険証の3大パワーです。

大きな会社や業界の「健康保険組合」に加入している場合は、(3)の傷病手当金の金額がもっと多くなるなど、スペシャルなおまけが付いているケースも多々あります。病気やケガの時は本当に力強い味方ですね。

それでも、少し足りないと感じる場合や(3)の傷病手当金のない国保の方、公的医療保険の対象になっていない特殊な治療を受けたい場合などの考えがあれば、テレビCMで流れているような民間の医療保険に加入するといいかもしれません。保険証パワーを知らずに民間の保険を考えることは無駄遣いのもとなので注意してくださいね。

公的なものはどうしても悪口の対象になりがちですが、保険証が持つパワー、つまり公的医療保険は本当にありがたいものだと思います。また、病気やケガをしなかったとしても、その保険料は無駄になっているのではなく、病気やケガをした誰かのためにパワーを発揮してくれているのです。そう考えると、保険料を払うことにも納得感がありますよね。普段の出費の方がよっぽど無駄遣いの可能性が高いような気がしてきます。
※2016年8月1日時点での法令に則して記述しています。

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