――マイナスイメージというのは、例えばどういうことですか?
七尾 そうですね……男女間にマイナスイメージを抱いてしまうのは、自分でコントロールできる部分ではないんですよね。一般的に女が家事・子育てを背負うところが大きいとかは充分マイナスですけど、結婚しないってほどの大きなものではないと思うんですよ。やっぱり、過去のことがあって、恐怖心なんだと思います。それで結局、そのおかげというか、結婚しなかったんだけど、結婚しないという選択は今、正解だったなぁと思ってます。もしミウラと結婚してたら……。
――もし、そうなってたら?
七尾 私は借金もしないし、ちゃんと働いてつましく身の丈で生きていくけど、あの人はそれが出来ないので、今も借金ありますし、それを私が全部背負わなくちゃいけなくなって……。
――そうなりますよね、結婚ってそういうことですもんね、連帯保証人的なね……。
七尾 そう、だから、それを結果的に背負わなくてよかったから、今、ミウラに対しても、優しくできる。もしあれで結婚して一緒に住んで、家計を一緒にしてたら、私ボロカスに言ってると思います。
――そうですね、一緒に住んで夫と妻、父と母なのに、半年ふらっといないとかお金を家に入れないとか…
七尾 まぁ、半年ふらっといないのは別にいいんですけど。
――別にいいんだ(笑)。
七尾 そんなのは別に、帰ってこないとかは、そんなのはいいですけど、結局、借金を背負って、私、そんな借金して我慢できるタチじゃないので、ちゃんと返そうと一生懸命しちゃうから。
――それですごいストレスになってたでしょうね。
七尾 ……貧乏でも、楽しく生きていける2人だったらいいと思うんですけど、ミウラというマイナス要因がきちゃうと、貧乏から貧困に一気に落ちちゃう。結婚って、相手を背負う事でもありますからね。そうなると、娘にまで貧困が及んじゃう。
――そこで、ミウラさんじゃない男の人に乗っかろうみたいな発想もなかった?
七尾 ない。だって、恋愛しないことで、清々としてるのに。
――恋愛っていうか、お金持ちの男の人に寄生するっていう「女のやり方」です。
七尾 いやー私は能力が、低いんですよ。そこらへん。恋愛能力が。
――誘惑するみたいな能力とか、その気にさせるみたいな能力が?
七尾 絶対ない! 全然ない! そういう能力が高い人いるじゃないですか、恋愛で男性をその気にさせる能力。その一方で、全然何年も、ずっと彼女がいませんとか、彼氏がいないとか、恋愛の能力が低い人。私、完全に後者なんです。恋愛の匂いとか、ミライが生まれて4年も経ちますけど、全く、微塵も。
――ミウラさんとは、子作り以降、カップルっぽいことはしていないんですか?
七尾 してないですね。
――もう、作ってくれたから、いいよ、みたいな?
七尾 う~ん、なんだろう、自然とこうなったみたいな。自然とこう積み重なって……。
――ミウラさんがたまにおうちに来た時に、グイグイくることって。
七尾 ない。ハグされたりはあったけど。こっちはね、「なにやってんだよ」とか思いながら。
──ミウラさんに彼女の存在は感じない?
七尾 感じないですけど。でも、私、本当に何してるのか知らないので。
――知らないし、興味もない?
七尾 興味があった頃もあったけど、一人で子育てしていると大変なこともたくさんあって、子育てに熱中すればするほど、ミウラに対して、そういう風な感情を抱けないというか。
――七尾さんが熱出して倒れた時にミウラさんに、「ちょっと今倒れてるから、でも子供は元気だから、世話しに来てもらえないか」とかそういう電話やメールしたりは?
七尾 仕事が忙しい時に「今度の日曜日に仕事しなくちゃいけないんですけど、来れないですかねぇ」みたいなことを言ったことはあります。ごくたまーに、時間のあったときに来てくれたことはありましたけど、断られたことも結構あるし。最初の頃は、多少、助けてくれるんじゃないかっていう期待が自分の中にあったんでしょうね
――そりゃ、そう思いますよね、不仲なわけじゃないし。
七尾 そうですね、今はミライとコミュニケーションとってくれるだけで、それでいいやと思ってますけど。あれですね、寝込んだ時とかに母に「ほんまにアカンようになったら、言うたら行くからな」とは言われてます。
――関西から。
七尾 そうですね、でも今のところ入院するとかまで体調を崩したこともないし、ヘルプせずに済んでますね。
――妊娠中にめちゃくちゃバリバリとアルバイトをされていたのにも驚いたのですが、丈夫ですよね。産後4年間も本格的に体調崩されたことはなかったんですか?
七尾 ないですね。産褥期は母が一カ月まるまる手伝いに来てくれたので休めましたし、その後は保育園で流行ってる病気を娘からもらったり、具体的には手足口病で口内炎になって、水飲めないとか、そんなんはありましたけど、その程度で。入院したりとか、自分で面倒見れない程のことはないです。ありがたい。