男女が「息子と母」と化す恋愛。または「母性による育成欲求」のおぞましさ

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育てる女の不毛作

 上記の支配欲と同軸線上にあるおぞましい存在が、「男を子供のように甘やかして可愛がる」あるいは「一人前の男に育てたがる」女のお母さん化現象、ひいては男女の母子化である。

 自分の干渉したい方法論で他者をコントロールして良しとする欲望が、まずは「気持ち悪い」。大の男を子供扱い(ともすればペット扱い)した結果、当人のプライドを傷つけたり、慢性的な依存心を誘発させたり、自生の自立心の育成を阻害したりと、不毛な事態を招くようなら、こちらも罪深い。相手のためにならない干渉をもって操作したがるとはつまり、毒母である。

 時に、経済的にも精神的にも自律している女性が、若い男性の生活の面倒を見て、仕事も紹介して、一人前になるべく世話を焼く「育成型の恋愛」に励む様子を見受けるが、そのような大きなお世話のお節介を焼くから、彼はいつまで経っても半人前のままなのではないか。愛しているなら、子を千尋の谷に突き落とすライオンの心意気で、身ぐるみはがして野に放ってしまえと言いたい。そうすれば、勝手に育つ。

 何より、「育てる女」に囲われた男は、概ね、見事一人前と仕上がったところで、「ありがとうございました」と謝辞を述べがてらご卒業されていくものである。育てたら、放流あるのみ。それが生態系の順当な在り方だ。

 だが、「彼のために、出来る限りのことをしてあげたい」とのお為ごかしをモットーに、その実、自己都合の独善的な欲望に取り憑かれるまま彼を操作しようとした女は、「せっかく育ててやったのに。昔は可愛かったのに。私がいないと何にもできないくせに」と未練がましく逆恨みする。そんな依存的な執着が、子育てを終えたのに子離れできない母親のごとく、「気持ち悪い」。

 あと、諸々未熟な年下の男性とはいえ、成人している大の男を捕まえて「可愛い♡」はないだろう。男が可愛いのは、おちんちんに毛が生える前までだ。もう子供じゃないんだから、たとえ未熟であっても一人前の人間として扱った方が、よほど自生の成長を促進するのではないか。もっと、本人のポテンシャルを信じてはいかがか。己の欲望よりも、彼の自尊心こそを尊重するべきではないか。

 上記はあくまでも私の持論であって、育てたい女が男を人間として尊重していないと断言し難い。が、男性に対する「可愛い♡」は、私の耳には相手を見下す侮蔑の言葉として届く。完全に、その男を馬鹿にしているのだ。

 私がそう捉える時、我が精神において反応しているのは空疎な女性性ではなく、マチズモ由来の男根の方である。いわく「おい、そこの女。男を舐めるなよ」。完全にミソジニーの発想なので猛省を促したいところだが、とはいえ、男女性問わず、自己都合を根拠に他者を絡め取ろうとする者が人間を馬鹿にしていることに違いはない。その点のみ、断言しておく。

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