「もしかしておふたりは童貞くんとヴァージンさんだったんですか?」(枡野)

(サイゾーイベントスペースにて)
紫原 そうですかあ……。元奥さんには嫉妬とかしなかったんですか? この本の中にも(元奥さんの)前の旦那さんとか後の彼氏さんの話はけっこう出てきますよね?
枡野 妻の男性関係、たくさん知ってるんだもん。バイセクシャルだったんですね、前の奥さんて。だから(つきあっていた)女性も知ってるし。こんなこと言っていいのかな……元妻って誰かの愛人だったことがあって。そのある人(元奥さんの元愛人)の記事とかもよくネットで流れてくるんだもん。偶然見ちゃう……。だからできるだけ見ないようにしてるの。(元奥さんの)前の旦那さんの本、すごく好きだったんだけど、なるべく読まないようにしてたんですね。ところがある日、古本屋さんに入ったら、目の前にブワーンと、僕に見ろとばかりに本が置いてあったことがあって。ついふらふらと見ちゃったことがあって。
紫原 なぜ見ないようにしてたんですか?
枡野 やっぱり礼儀として。情が移っちゃうと。前の旦那さんは漫画家だったんですね。亡くなられたんですけどね。
紫原 はい。
枡野 嫉妬かあーー! やっぱり(元旦那さんへの)嫉妬ってありました?
紫原 別に、目の前で浮気されてるとかじゃないので。目の前では良い夫なんですよね。嫉妬に狂って怒るというよりは、期待に応えてくれなくて怒るほうが多かったですね。どちらかというと。
枡野 期待かあ。それで、出会ったとき(元旦那さんは)21歳だったんでしょ? 紫原さんは18歳?
紫原 17歳ですね。
枡野 犯罪ですね(笑)。
紫原 (地元の福岡に)『紳士服のフ○タ』っていう安い紳士服屋さんがあるんですけど、そこに1万円くらいの安いスーツセットがあって。(元旦那さんは初めて会ったとき)その安いこげ茶色のスーツを着ていて。すごいダサいこげ茶のスーツ……。「フ○タでしょ?」って言ったら「フ○タだよ」って。でも仕事が成功してお金持つようになると、だんだんオシャレになっていって。
枡野 あの、旦那さんイメージして僕、今日、帽子をかぶってきたんですよ。
紫原 どうもありがとうございます(笑)。
枡野 余計なことしました(笑)。敢えて聞きますけど、出会った頃、旦那さんって女性経験はどうだったんですか? もしかしておふたりは童貞くんとヴァージンさんだったんですか?
紫原 元夫はどうかわかりませんが、私は違ったんです(笑)。私は性に対する関心が強くて、割と。
枡野 17歳で?
紫原 そう17歳で。
枡野 じゃあ(家入さんのことは)年上だけど童貞かなって思ってたんですね。スーツもフ○タだし。
紫原 そうですね。
枡野 あのね、男性は苦労をともにした(いけてない時代の自分を知っている)奥さんのことをむしろ忘れたいっていう心が働くから。だからミスターチルドレンの桜井さんとかも(売れてしまってから)別の女性にいってしまったという説がありますよね。
紫原 そうなんですね。元夫を見てて思ったのが、男の人ってコンプレックスをバネにのし上がっていく人が多くて。夫だけじゃなく、他の実業家の男性とか見ていても。でも成功してスタイリッシュになったからといってコンプレックスを克服できたかのかといえば、コンプレックスがあったことがコンプレックスになってるっていうか……。輝かしい道を辿ってないことがコンプレックスになっちゃってますよね。
枡野 (元旦那さんでいえば)美大(美術大学)に行きたかったとか?
紫原 夫がどうかはわからないですけど、一般的に、昔からイケイケの男じゃなかった人、スクールカーストの下のほうだった人がそれを克服しても、ずーっと後々まで残るもんじゃないのかなと……。まぁ、人のことなんでわからないんですけどね。
枡野 紫原さんはむしろクラスの人気者タイプだったんですか?
紫原 全然……。私も早くからインターネットを知ってしまって、椎名林檎とかを聴いて、リスカしてる人のブログを読む……みたいな。あはは。
枡野 17歳らしいですね。
紫原 17歳で「死にたい死にたい」みたいなのをブログに書くみたいな。
枡野 ポエムをね(笑)。なんかインターネット始めると、みんなポエムを書くんですよね。
紫原 なんかアンダーグラウンドのドロドロした背景画像を使って……血みどろの赤黒いやつ……。そういうときありますよね。