ラーメンズ片桐仁「地獄」「家ではお父さん、しんどい」という本音が妙に染みる。

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 あくまでテレビ番組なので、全部が全部、心からの本音とは思わないが、しかし鬱憤はたまっていそうである。疲れていても子供と過ごすことで癒されたり、あるいは妻や夫と一緒にいられればハッピーだという人もいるだろう。そういう層から見れば片桐の言い分は子供じみていてワガママかもしれない。

 だが、“お父さんでいなきゃならないのがしんどい”というコメントは、お母さんの立場でも共感する。子供の前では常にお母さんの顔でいなければならない(と思い込んでいる)から、筆者も長い時間、子供とずっと一緒に過ごすのはしんどいのだ。お父さん・お母さんを、本当の自分とは違う、自分から切り離したキャラクターのように構築してしまうと、その仮面を長時間被ることで息苦しくなる。家族がいても一人の時間を持ちたい気持ちもわかる。

 一方で、片桐の妻のいう「家族で団体行動ルール」も、わからなくもないのだ。子供が幼いうちは特に、父親としてなるべく触れ合ってほしいと思う。サラリーマンと専業主婦のカップルが一般的だと考えられた時代、「家族サービス」などという言葉が当たり前に使われていたが、家族とともに過ごすことを「面倒なサービス業」と捉える男性は今でもいるだろう。それを幼稚と喝破することは容易だし、まあ家の外では「お父さん」でいなくて良いのだから、家の中では「お父さん」をやってくださいよ頼むから……というのもまた、お母さんとしての正直な気持ちである。

 育ってきた環境が違ううえ、家族観も育児方針も完全に一致する夫婦など存在し得ないのだから、お互いに折れながらルール改訂を重ねていくしかない。さもなくば「地獄」になってしまうのが家という場所であり、家族なのではないだろうか。家族全員にとって家が「天国」であるのが理想だが、あらかじめ天国が用意されているなんてことはない。

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