社会

低い壁で囲まれている心地よさがある 多様な性を生きる人の居場所を作るQWRCの活動 QWRCスタッフ・いのもと氏インタビュー

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QWRC(くぉーく)ってどんなところ?

いのもと NPO法人QWRCの活動は、「緊急時連絡先カード」だけではありません。大きく分けて、4つのことが柱になっています。

一つは、交流です。誰でも参加できるお茶会の「QWRCデー&ナイト」や、「自分はLGBTかもしれない」と考える若い人向けのおしゃべり会「カラフル」、それから、子どもと生活している人/したい人向けの「こどもとおとなのお茶会」ですね。また、LGBTなど多様な性を生きる人で、なおかつメンタルもしんどい、という方向けの「メンヘル!」というグループもあります。

参加に条件を設けているのは、「メンヘル!」と「カラフル」だけです。他は誰でも参加できます。LGBTでない人でも、男性でも。いちいちQWRCから参加者に「あなたの性的指向は?」などと聞くことは、基本的にありません。

二つ目には、相談です。QWRC独自で、LGBTなどのセクシュアルマイノリティ当事者やその家族・友人のための電話相談をやっています(詳細は公式サイトへ)。また、たとえば大阪市淀川区など、自治体や国の相談事業にQWRCが協力することもあります。

三つ目が、啓発活動です。QWRCが主催する場合もあれば、依頼を受けて講座を行うこともあります。特に学校からの依頼が多いですね。先生への研修と、児童・生徒への授業と。その他、自治体職員向けの研修や、市民向けの講演なども行っています。

最近は、LGBTについて、医療・福祉の現場向けに啓発冊子「LGBTと医療福祉<改訂版>」を作りました。クラウドファンディングで資金を募り、10,000部作ったのですが、すぐなくなったので、増刷し、20,000部刷っています。今まで出してきた冊子で現在品切れになっているものでも、それぞれネット上でもPDFがダウンロードできるようにしているのですが、やはり印刷するのは大事ですね。みんながみんなネットを使えるわけではありませんし。

最後に四つ目が、スペースの貸し出しです。他のLGBTの活動をやっているグループが、ミーティングなどに使えるようにQWRCの事務所を貸し出しています。集まれる場がほしいというのが、QWRCが生まれた最大の要因のひとつですからね。

大阪、という場所の特徴

いのもと LGBTが集まる場所は敷居が高い、と感じる人もいるようですね。「(いわゆるゲイタウンとして知られる)堂山に行っただけで、バレちゃうんじゃないか」と心配になる人もいれば、「ゲイバーが入っているビルの下まで行けた!」だけで感激する人もいます。それぞれの人にとって、(LGBTが集まる場所に行きづらいのには)それぞれ違う理由があるんだろうなぁと思います。

堂山って、新宿二丁目と全然違うでしょう。新宿二丁目って、どっから見たってゲイタウンじゃないですか。でも堂山って、何も知らない大阪の人は、ただの飲み屋街だと思ってますからね。(いわゆるゲイバーのような)お店も、正確な数は知りませんが、例えば1,000軒くらいある飲み屋のうち200軒くらいの感じですよね。だから、「堂山に来たからゲイだと思われる」だなんて、そんなことはないはずなんです。雑居ビルの飲み屋に通うノンケの人が、隣の店がゲイバーだって知らなかったりすることはいくらでもあります。

もうひとつは、関西のLGBTコミュニティの特徴かもしれませんけれども、全体的にミックスなんですよね。つまり、LとGとBとTが分かれていない。中でもQWRCはかなり、徹底的にミックスなんです。セクシュアリティのことに限らず、在日コリアンの団体と連携をとったりとかね。

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