社会

低い壁で囲まれている心地よさがある 多様な性を生きる人の居場所を作るQWRCの活動 QWRCスタッフ・いのもと氏インタビュー

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近年になって変わったこと

いのもと 2015年位から、マスコミの取材や、学生やNPOの調査・研究への協力依頼が増えたように感じています。その前もなかったわけではありませんが、去年ぐらいから一気に、学生さん個人でやっている研究にまつわる問い合わせが増えましたね。

大学生だけでなく、院生や、「人権関係のことで何か調べなさい」と課題を出された高校生もいます。そうした学生さんがLGBTの自認を持つ人かどうかということは、QWRC側から聞くことはないので、わからないですね。話の流れで、「どうしてこの研究テーマを選んだんですか」とお聞きすることはありますけれども。ご自分から「当事者です」と名乗る学生さんもいれば、「わからないです」という人もいます。

QWRCは、2003年から活動を続けているわけですけれども……最近になって、「QWRCのことを知っていたのに10年間ずっと来られなかったんです」というような人が、やっと来られた、ということもありましたね。「10年前に気軽に来ればよかったじゃん」と思うんですが……その人なりに大変だったと思うんですよね。ゲイバー行くのがしんどい男の子といっしょで。

居場所候補のひとつとして

いのもと 大阪にはQWRC以外にも、コミュニティスペースや、不定期開催のイベントなど、いろいろあるんですよね。そういうところって、正直どんなところか行かないとわからないのもほんとうだし、行って傷つくこと言われるかもしれないけど……「もしあなたがタフだったら、あっちこっち行ってみて。そしたら合うとこあるかもしれないよ」って思うんです。

QWRCは、(いわゆるLGBTとそうでない人を隔てる)壁の低い場所だと思っています。だからこそここが気持ちいいという人もいれば、だからここが落ち着かないという人もいる。合うかどうかはわからないけど、よかったら来てみてほしいと思います。

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親しみやすいTシャツ姿で、穏やかに話すいのもとさん。インタビューは、事務所にメディアが入ることで参加者に不安を与えないよう、喫茶店で行われた。インタビューを終えてから、取材者もいち参加者として、誰でもOKのお茶会「QWRCデー」に参加させて頂いた。テーブルを囲み、名乗りたい名を名乗り、お茶やお菓子を楽しみながらの会話。この日は、変わった味のポテトチップスをつまんで盛り上がった。

まさに部室のようだなあと思いながら、部屋の中を見回す。本やマンガなんかが並んでいて、静かに読書をしたり、何も言わずお茶を飲んだりして過ごす人もいるらしい。そんな話を聞いていたら、ふと、「ここはジャージになれる場所なんだな」という言葉が浮かんだ。たとえるなら、ふだん男子制服か女子制服を着ることを強いられていたとしても、一歩部室に入れば、ジャージで好きなことをしていていい、というような。

あえて低く、けれどしっかり、10年以上をかけて築かれてきた壁。低い壁に守られた心地よさをたたえて、QWRCは今も続いている。

【QWRC(くぉーく Queer and Women’s Resource Center)】
http://qwrc.org

〒530-0047 大阪市北区西天満4-5-5 マーキス梅田707号室

https://twitter.com/qwrcjp

イベントのお知らせ

ビブリオバトル~QWRCの本紹介します~

日時:2016年11月 3日 (木・祝)15:00~17:00
会場:QWRC

ビブリオバトルとは 挑戦者が紹介する本についてプレゼンをし、聴衆は一番読んでみたくなった本に投票し、チャンピオンを決める企画です。今回は、5人の挑戦者がQWRCにある本でバトルします。

観覧:無料 ただし、観覧できる聴衆は先着15名様までです。

タイトルを「ビブリオバトル観覧希望」とし、受付用の名前をこちらのお問い合わせフォームよりお伝えください。

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