10年に一度のチャンス 多様な性のあり方を伝えない教科書を変えるなら今

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 この状況を変えるにはどうしたらよいのだろうか。

 根本的には、「学校で何を教えるか」の指標を定めているのは、学習指導要領だ。現在の学習指導要領では、「思春期になると、だれもが、おそかれ早かれ異性に惹かれる」(小学校学習指導要領解説)という趣旨が書かれているのみで、多様な性についての記述はない。それに基づいて作られる小中学校の教科書にも、現在LGBTに関する記述は皆無だ。

 この状況を変えるチャンスが、実は今(!)だ。

 2016年は十年に一度の学習指導要領の改訂の年で、文部科学省では学習指導要領の改訂にあたって9月9日(金)から10月7日(金)までパブリックコメントの募集をしている。提出方法はメール、郵送、FAXにて。10分ほどあればどなたでも意見を届けることが可能だ。

パブリックコメントの募集について、詳細はこちらから

 2016年の改訂時期にもこの記述が変わらなければ、次の改訂時期は2026年。

 2026年になっても、いまだに学校で「思春期になると誰もが異性に惹かれます」という授業をしていたり、「LGBTについては授業で扱えません」なんていう教育システムだったりしたら、たぶん日本は終わっている。第一、誰もが異性愛になるなんていうことは科学的事実にも反している。子どもにインチキを教えてはいかん。

 というわけで、この状況に少しでも「なんとかせな」と思った方は、是非パブリックコメントを送ってみてほしい。意外と簡単にできるよ。

 さらに「学校で、多様な性について教えることは大切だよな~」と思っているあなた。フェイスブックやツイッターで、私たちの署名キャンペーンをシェアして、この社会問題について周りの方に知らせていただけるとうれしいです。

現行の学習指導要領の問題点についてまとまっている署名サイトはこちら

 とにかく10年に一度ってのは、なかなか逃したくないチャンス。一人でも多くの方が興味や関心を持って、教育現場を変える流れを生み出してもらえたらと熱く願ってやまない。だって、多様な性について学ぶのは、マイノリティの人のためではなくて、これからの時代を生きるみんなのために必要なことだと思うから。

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