エンタメ

社会が作り出した女性像なんかBULLSHIT フィメールラッパー・COMA-CHIインタビュー

【この記事のキーワード】

10年ぶりのMCバトルを終えて

――今年の夏のSUMMER BOMBで、10年ぶりにMCバトルに参加されました。MCバトルで男性と女性が戦うと、男性側が「女を武器にしている」「ビッチ」といった言葉を使うことがよくあります。それに対して、女性側は「男女関係ない」とアンサーを返すこともあれば、同じような言葉を選んで言い返すこともある。今回のバトルだと、対戦相手のT-Pablow(いま注目されている若手のラッパー。フリースタイルダンジョンにもレギュラー出演)に対して、最初にCOMA-CHIさんが下ネタや性的な話題を振って、T-Pablowが「男女関係ない、ラッパーとラッパーだ」と断言していたのが印象的だったんですね。T-Pablowのアンサーをどう思いましたか?

COMA-CHI ん~、つれないなあぁ~と(笑)。私が10年前にバトルにがんがん出てるときは、下ネタを振っていくと向こうも面白く下ネタを言ってきて、さらに下ネタで盛り上がって受ける、みたいな構図が結構あったんです。今回声を掛けてくれたZEEBRAさんからも「『食べちゃうわよ!』みたいなこと言っちゃえよ(笑)」みたいに言われていたんで、そういう方向性が求められてるのかなと思って(笑)。私もそっちの方が面白いと思ったんだけど、さらりとかわされちゃって。彼がそういうタイプのラッパーじゃなかったんでしょうね。

――10年間を振り返るブログ記事で「私disるの向いてないんだ。言えるけど、言った後に自分が傷つく。これはヘルシーじゃないなって」と書かれていましたね。

COMA-CHI 当時はそう思っていたんですよね。無名だったときは夢のひとつである音源を出すために、MCバトルでスキルを証明して知名度を上げたかったんです。「B-BOY PARK2005」(1997年から始まった日本最大規模のヒップホップイベント)で準優勝して名前を知られてCDも出せました。MCバトルは目的というよりは手段だったんです。今はみんなが楽しんでいて素敵なカルチャーだなと思っているけど、私はもういいかな、って。

MCバトルを子供に見せることはできる?

photo by SUZU

photo by SUZU

――2013年にご出産されていますが、お子さんとMCバトルって見れますか? 以前、『漢たちとおさんぽ』(フリースタイルダンジョンのレギュラーでもある漢 a.k.a GAMIが仲間と一緒に街を徘徊するAbemaTVの番組)で、視聴者が「PVを子供と見ていたら、子供が『マザーファッカー』と言うようになった」と言っていて。

COMA-CHI まあまあまあまあ(苦笑)。どうなんだろうなあ、まだ子供は小さいので、言葉がそんなにわからないから……年頃になってきたらもう考え方も言葉遣いも変わるかもしれません。「そういう言葉を使うのはやめなさい」と子供を叱るようになったら必然的に言えなくなるかも。それは今後10年間で変わると思います。今はとりあえず大丈夫(笑)。

――大きくなってから昔のCOMA-CHIさんの映像や音源を聞くようになったら……?

COMA-CHI そうですよねえ。どうしようかねえ。誰にでも間違いはあるから。うん。「お母さんにも間違うことだってあるよ、だから駄目だよ」とか言うんじゃないですか(笑)。

――『フリースタイルダンジョン』をきっかけにMCバトルが注目されるようになって、ラッパーが選ぶ言葉も変わっていくのかが気になります。『フリースタイルダンジョン』だとコンプライアンスをかけて音声も字幕も伏せる言葉もありますが、現場(ライブハウス)に行くと、テレビでは放送されないような言葉が飛び交っていますよね。メディアや場所によって使い分けていけばよいのか、そもそもそういう言葉を使うべきではないのか、あるいは気にせずどんどん使えばいいのか……。

COMA-CHI コンプラはねえ……「別にいいじゃん」とか思っちゃいますけど、まあ、リアルなものを映す限界がテレビにあるんだったら、みんな現場に来ればいいと思うし、テレビをとっかかりとして入り込んでくれる人が増えればいいんじゃないですかね。

1 2 3

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。