『逃げるは恥だが役に立つ』人は何のために結婚するのか。契約結婚で「主婦」に就職したみくりを駆り立てるものとは

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みくりと平匡の関係は今後どうなる?

家事などを担当することを前提に「家族」に就職したみくり達の契約結婚は、見合い結婚と似た性質を持っています。しかし、戦前のような「イエ」制度の影響がないことに加えて、性的接触はない(=子どもを持たない)、終身の契約とは限らない、関係を知るのは自分達のみである、という前提で契約をスタートさせていて、本人の意思以外に夫婦関係を維持するフレームを採用していないことを考え合わせれば、関係の不安定さは見合い以上ということもできそうです。

私たちは、時として、合理的ではない道を自ら選択することがありますが、そこには愛情とか常識といった別の合理性が潜んでいることがしばしばです。前半で紹介したように、家事は経済的合理性では評価しにくい労働です。それでも多くの人(大体は女性)が不満を持ちながらも家事に従事できるのは、それが義務とされているという前提に加えて経済とは別の、愛情という価値で図られるという側面を持つからだといえます。年間140万円程度でお見合い結婚よりも不安定な就職を選択したみくりの行動は、経済的な合理性からはやはり離れているように感じられます。

このように考えると、本作の展開に説得力を持たせるには「恋愛マンガ」としての意味づけ、つまり人間関係の深まりをどれだけ掘り下げられるかが深く関わってくるようと言えそうです。ネタバレにつながるので詳細は避けますが、この点は実際に中盤以降の本作の基軸となり、他の登場人物の選択とも関連しながら最終的なテーマとなりつつあります。

冒頭でも紹介したとおり、本作は10月11日よりドラマが放送されています。安易な「恋愛もの」として作品を矮小化せず、本作が持つ「お仕事もの」としてのフレームをきっちりと描くことは世の中に対して鋭い問題提起につながるはずです。漫画の方の展開も目が離せませんが、ドラマとしての仕上がりもしっかりと見届けたいと思います。

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