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電通過労死事件と資生堂CMに見る女子力ハラスメント 「キラキラ女子」の先に待つのは「ボロボロ女子」

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自分のための、自分らしい化粧

『キューティー・ブロンド』というハリウッド映画があります。主人公の女の子はおしゃれ大好きなキラキラ女子で、自分を振った彼氏を見返すためにハーバード法科大学院を出て弁護士として大活躍する、というお話です。

アメリカに来てみたら、彼女のような人は一人もいませんでした。知人にハーバード法科大学院を出て弁護士として活躍している女性がいますが、キラキラ女子どころかフェミニスト闘士で、趣味はバックパック旅行の猛者です。

断言します。アメリカにはキラキラ女子なんていう生き物はいません。私自身もアメリカに来てからキラキラ女子なんていう生き方があることすら完全に忘れてしまいました。今後私がキラキラ女子を目指すことはまずないでしょう。

資生堂の件のCMに欠如していたのは「キラキラ女子たれ」という社会の重圧を押しのけるという選択肢です。資生堂の広告は、電通が作ったのか博報堂が作ったのかわかりませんが、過労死した電通の女性社員は、日常的にこうした「キラキラ女子重圧」にさらされ、パワハラやセクハラを受けながら、長時間労働をこなしていたのでしょう。資生堂CMの描いた「25歳の働く女子」の末路には、キラキラ女子になりきれず、周囲から求められるがままに自分を追い詰め、ボロボロになっていく勤労女性たちがいることを忘れてはなりません。

25歳の働く女性がセクハラやパワハラに迎合するためのツールとして化粧品を使うのではなく、そうした重圧と戦い、それをおしのける、社会的重圧から自分自身を解放するために化粧品を使う、そうしたメッセージを与えてくれるCMを作って欲しいと思います。「化粧をする」というのは、自分が社会にどう見られるかというのを意識した、社会的行動です。男社会で好かれる「若くてかわいい女の子」でいるための化粧ではなく、若い女子好きの男社会で「年取って何が悪い」「ブスで何が悪い」「手抜きだっていいだろ」「強い私をなめんなよ」という十人十色、多様なメッセージを発する化粧があったっていいはずです。

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