
「女ひとり、家を買う。」Photo by Amanda B from Flickr
今まで多くの「家を買った」女性に取材して見えてきたのは、家に関して何が最適な選択であるかは、人や状況により千差万別だということ。家をとりまく社会的状況も刻一刻と変わっています。もちろんすでに家を買った方のリアルな声は、貴重。買ってしばらく経ったからこそ、見えてくることもあるでしょう。
一方で、「今、家を買いたい」とリアルに考えている人は、どう行動し、何を悩んでいるのでしょうか。そこで、この連載の新しい展開として、今家を買いたいと考えている方にモニターとして参加していただき、その心の動きや選択、現在の住宅購入事情をリポートします。
その新企画では、住宅コンサルティングの老舗、株式会社さくら事務所のコンサルタントがアドバイザーに! 購入時のお金のこと、家やマンションのつくりのこと、マンションの管理のこと、資産としての活用方法まで専門家に個別アドバイスをいただきます。
現在モニター募集中ですので、ご興味のある方は、下記説明ページよりお申し込みください。あくまで購入のためのリサーチを追う企画ですので、最終的に購入に至る必要はありません。お気軽にどうぞ!
今回は、株式会社さくら事務所の創業者であり、現会長の長嶋修さんに、女性が家を買うとき最初に知っておいた方がいいことをうかがいました。
さくら事務所・長嶋修さんに聞く!

長嶋さん、よろしくお願いします!
【長嶋修さんプロフィール】
不動産デベロッパーで支店長を務めた後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、「不動産の達人 株式会社さくら事務所」を設立。現会長。また、住宅の安全性を測るホームインスペクション(住宅診断)の分野では、そのパイオニアとして、「NPO法人 日本ホームインスペクターズ協会」を設立するなどして、普及・発展に務めている。『マイホームはこうして選びなさい』(ダイヤモンド社)他、著書多数。
――ずばり、女性がひとりで家を買うことについて、どう思われますか。
長嶋「損得で言いますと大きくふたつの観点があり、ひとつは家賃とローンとの比較、そしてもうひとつは住宅の資産価値とローン残高との比較です。家賃とローンを比較すれば、家賃を払うのはもったいない。住宅ローンは今、金利も低いですし、払っていけば最終的にはローンがなくなり、家賃もなくなる。ですが、価値の落ちる住宅を買うのであれば、得だとも言い切れません。たとえば3,000万円のマンションを買って、将来1,000万、あるいは500万になったら、いざ売るときに損をします」
――前者の将来的に家賃がなくなるメリットは誰もが望むところ。後者に関して言えば、資産価値を考えると、ローンの残高よりも売値が安くなれば、売るときに損をするということですね。
長嶋「そうです。シングル女性の場合は、ライフスタイルの変動が大きい。結婚や転職があったときに身軽に動けないと、困りますよね。たとえば結婚して、パートナーと住むには手狭などの理由でほかに住居を求めるのであれば、購入した物件は売却するか賃貸に出すことになりますが、そのときに価値が下がっていて売れない、貸せないでは困ります。逆にいえば、資産価値の落ちない家を買えば、ライフスタイルが変化しても売ったり貸したりすれば、損しません」