女ひとり、家を買いたいと思ったらまず何を考えるべき? 人生どうなっても損をしないための基礎知識

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――たとえば5年後に家が同じ価格で売れば、その5年間に払うはずだった賃貸家賃分、得をすることもあります。今は稀かもしれませんが、売値が買値を上回る可能性もあるでしょう。とはいえ、価値が落ちない住宅を選ぶのも難しいもの。選び方のポイントを教えて下さい。

長嶋「それがなかなか難しい。シンガポール国立大学の研究では、日本の住宅価格が2040年には平均で45%下がるとのこと。住宅価格なので、土地と建物に限定した話ですが目安にもなります。世界の先進国は皆同じような状況で、人口が頭打ちになって少子高齢化すると、若い人たちの社会保障などの負担率が高まるので、住宅価格も下がらざるを得ないのです」

――では、基本的に住宅の価格は下がるということですか?

長嶋「激しくケースバイケースになってくるんです。住宅の価格が45%下がるというのは、日本全国の平均の話。今後は価格の格差が開くでしょう。今、300くらいの自治体でコンパクトシティ化の政策が進んでいます」

一にも二にも三にもロケーション

 コンパクトシティとは、生活に必要な街の機能を中心地に集め、効率的で持続可能な都市を目指した都市政策のこと。市街地の範囲を思い切り縮めてしまって、その範囲だけは自治体が人口密度を維持すると宣言をするのです。

 具体的には、人々を中心地に集めるために、中心部の狭い範囲に街の機能を集約します。そうなると、ある程度人口が密集した都市部に住まないと、各種行政サービスが受けられなくなるのです。人々が利便性を求めて狭い地域に密集すれば、結果的に限られた地域の住宅の資産価値はキープされることになります。

――価値が落ちない家を買うには、コンパクトシティの内側、人口密集地に家を買う必要があるということですね。

長嶋「不動産って、一にも二にも三にもロケーションなんです。基本は駅前か駅周辺。駅から離れていても、若年層が流入するなどの状況が作られて、人口密度が維持できるところ、というのが前提ですね。買い手が求める“駅からの距離”が最近は年々短くなっていまして、5年くらい前は徒歩10分が許容範囲だったのですが、最近は7分なんです。だからマンションデベロッパー側も、用地を仕入れる際に徒歩7分を超えるとかなり慎重になってしまいます。今は最低7分くらいがポイントでしょうか」

――それは、購入できる地域がかなり限定されますね。そういう物件は高そうですし、日本全体の地価が下がるのであれば、少々不便を押しても将来、郊外の家を買えばよいのかなとも思ってしまいます。

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