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専業主婦希望で育児丸投げだったオリラジ中田を180度変えた!豪腕・福田萌のやり方

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 タレントの子育て本で、子育ての苦労が語られるのはマストだ。この本でも、夜泣き、離乳食、断乳など、誰もが通る道が綴られている。現在進行形で子育てに奮闘している夫婦であればこうした箇所も心に響くだろう。だが、本書で何よりも感服したのは、福田による夫改造の上手さである。「Part2 Mama Talk」にあるエッセイでは、結婚が決まったときに中田から「結婚後は家庭に入ってほしい」と言われていたことを明かしている。中田がもともとは意外と古風な結婚観を持っていたことに驚かされたが、読み手以上に驚いたのはこれを言われた福田本人だろう。両親が幼稚園を運営しており共働きの家庭で育った福田は、女性が働き続けることを自然なこととして考えていたため、「それは無理。私は仕事を続けたい!」とハッキリ伝えたのだが「アツヒコさんにはなかなか理解してもらえず…」。相当揉めた様子が伺えた。

 しかし粘り強い話し合いの末、やがて中田は「自分は仕事が大好きで、生き甲斐にしている。萌にとっても同じことなのかもしれない。萌から仕事を奪うことは萌の生き甲斐を奪うことなんじゃないか」という考えに至り、福田は仕事を続けることができた。中田がこう考えるに至った経緯が明かされていないが、「これは何日かかっても絶対に説得しなくては、そう思いました」と福田は綴っており、「こいつは頭固いからしょーがない」とか「価値観の違う人だから無理」と放り投げず、話し合いを重ねたことが勝因のようだ。もちろん中田のように考えを曲げる柔軟性を持たない旦那、話し合い不可能な旦那もいるだろうが、この夫婦においては「話し合い」は有効だった。

福田萌の巧みな話術

 ぶつかり合っているだけではおそらく意見は平行線のままで、決着をつけられないままだった可能性もある。巻末の「大激論!? 中田家パパママ対談」には中田も登場。夫婦にあらかじめいくつかの項目でアンケートをとっておき、お互いのアンケート回答を参照しながらテーマに沿って語り合うという対談なのだが、ここで福田のトーク術が光りまくっているのである。この福田の話術なくして、中田を理解ある夫に変貌させることはできなかっただろうと確信した。

 まず“中田が週1で休みを取ることを決意”した経緯については先にも述べたが、このとき福田はワーク・ライフバランス社/小室淑恵代表のインタビュー記事を中田に見せたのだという。そこに「ママの孤独も少子化も、全て男性の長時間労働のせい」とあるのを読んだ中田は心を動かされたらしい。福田はあくまでも夫自ら心動かされるように仕向けたのであり、「一人での子育てが大変だって気付くの遅いんだよ!」と責めるやり方はしなかったのだ。

「子どもができたら自分ひとりで育児を担う覚悟はしていたつもり。でも、実際にしてみたら想像以上に大変で値を上げちゃった……。アツヒコさんが、私の孤独を理解して、休みを取ってくれて、本当にありがたかった。アツヒコさんが休みの日は、すごくホッとするの」

 と、ただただ夫に感謝しリスペクトする姿勢を貫くのである。

 また『この際、どうしても聞きたいことは?』という項目についても「母と妻、二足のわらじを履きながらも、素敵でスマートでいたいのに、実際の私は髪を振り乱してスマートとはほど遠い……。以前の自分との変わり様に自分で戸惑うぐらいだから、アツヒコさんはどう思ってるのかなって不安になっちゃう。アツヒコさんが好きな私ではなくなってる?って」と、実にうまいこと言うのである。「育児が大変すぎて自分にかまうヒマがないことちょっとは理解しろよ!」等とは言わないのだ。中田もこれをうけて「まったくそんなふうに思ってないよ。(中略)萌の母親ぶりを観ていると、ますます尊敬するし好きだなって思う。幻滅することなんてないよ」と最高の返し。またそれに福田も「……言わされてない?」と可愛く疑ってみせるのである。単行本収録を予定した、第三者(カメラマンやライターや編集者)同席の対談なのだから、相当に演技入ってるだろうと思うのだが、模範的すぎる。しまいに中田からは「萌は、マザーではなくプリンセス。それはずっと変わらないよ」と噴き出してしまいそうになるセリフまで飛び出す始末。すごいっ!!!

 『育児の役割分担は?』という項目で福田はアンケートに「ほぼ私が全般を担っています」と回答。中田は「分担と言えるほど担えていない」と回答しており、この対談収録当時すでに中田が週1で休みを取っている状態であるにもかかわらず、やはり育児のイニシアチブは福田が握っていることが伺えるが、それについても「1時間早く起きて(or寝る前に)もっと家事しろよ!」といった不満を福田は言わないようだ。「子どもと過ごす時間も、家にいる時間も私のほうが多いんだから、それをアツヒコさんにやって欲しいと思ってないよ。それに、お風呂や寝かしつけをたまにしてくれるだけでも、相当助かる!」と、あくまでも“育児は本当は私の仕事なのに手伝ってくれてありがとう!”の姿勢を貫くのである。すると中田も「継続的に何かを担いたいと思ってはいるんだけど……まだ足手まといになってるんだよなぁ」などと“もっと協力したい”という意思を見せるのだ。

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