コンビニがスーパーよりも高いのは、消費者のせい!? 大量廃棄される食品を減らすには

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だれも得しない「食品ロス」

井出 これほどアバウトな賞味期限なのですが、消費者の中には賞味期限を1日過ぎたら捨ててしまう人も少なからずいます。これは、まだ食べられるのに廃棄されてしまう「食品ロス」につながります。

日本の食品ロスは深刻です。世界の食糧援助量が約320万トンなのに対し、日本の食品ロス量は632万トン。世界中で支援されている2倍弱もの量を日本国内だけで捨てていることになります。

――なぜこれだけの食品ロスが生まれるのでしょうか?

井出 ひとつは、「3分の1ルール」や「日付後退品」のような日本の商習慣でしょう。「3分の1」ルールは、製造日から賞味期間が切れるまでの期間を3分の1ずつ均等に分けます。最初の3分の1でメーカーはお店に納品しないといけない。これが納品期限。そして、3分の2までの期間が販売期限です。たとえ賞味期限が3分の1残っていても、売り場からなくなってしまうんです。これは、賞味期限1週間の食品も3年の食品も同様なのです。

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他国と比べても日本の納品期限は短く、アメリカでは2分の1、イタリア・フランス・ベルギーでは3分の2、イギリスでは4分の3となっています。納品期限の返品によるロスは821億円におよびます。

また、前日納品より1日でも賞味期限が古いと小売への納品が許されない「日付後退品」の扱いも厳しく、ペットボトルのような日持ちするものでも、賞味期限が1日でも古いものが入ってきたら、小売店は受け取りを拒否することがあります。それでトラックを動かしたりと、労力がかかってしまうのです。

さらに、食品業界には「欠品ペナルティ」という慣習もあり、食品メーカーは、自社の製品が欠品すると、小売店に対して罰金(欠品粗利補償金)を払わないといけません。最悪の場合、取引が中止になってしまうこともあります。メーカーはしかたなく「欠品するくらいなら、多めに出して余ったほうがまし」と考えます。そうやってまた食品ロスが生まれてしまうのです。

――非効率に見えますが、企業にとってロスは得なのですか?

井出 損していますね。一番深刻な被害があるのはメーカーです。売れなかったものはメーカーに返品されますが、その廃棄コストも問題です。今の加工食品はいろんな材質で包まれているものが多いです。ガム一つとってみても、プラスチックや銀紙などで幾重にも包装されています。それぞれを分けてリサイクルする義務があるので、手作業でバラバラにしているのです。

――……膨大なコストですね。

井出 このコストは、私たち消費者が負担しています。捨てる費用があらかじめ商品価格に組み込まれているのです。

同じ製品でも、スーパーよりコンビニのほうが値段は高いのは、24時間営業の人件費や光熱費もあるのですが、24時間十分な品ぞろえを確保するために、食品を捨てることを前提にした計画を立てているからだといえます。

また、コンビニは商品を置いてもらうために熾烈な競争があります。メーカーは「コンビニ限定」サイズのお菓子や飲料を生産しますが、「週販いくつ」(週にいくつか以上売れなければカット)という厳しい条件があり、その生存競争に残れなかったものは棚からなくなってしまいます。

しかも「コンビニ限定」なので、スーパーで売られているものに比べ、パッケージが一回り小さかったり、企業名やロゴマークが入っていたりする場合があります。売れ残った商品をほかで販売できないので、また大量に余ってしまうのです。

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