男同士で傷を舐め合ってもいいじゃないか! 「男らしくない男たちの当事者研究」始めます。

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うにゃうにゃぐねぐねが「男」の宿命

杉田 ……話を戻すと、障害者や病者たちが用いてきた「当事者研究」というスタンスを、僕らも使わせてもらえないだろうか、と考えてみたわけです。しかしそれは当事者研究という言葉を簒奪してしまう、フリーライドして骨抜きにしてしまう、という危険性をどこまでもはらんでいる。そのへんは本当に、危うさを引き受けながらの試行錯誤でしょうね。

熊谷さんたちも、つながりの作法はマイノリティだけに有効なものではなく、「現代を生きる私たち全員」にとって必要なものだと言っています。ですから属性的にはヘテロ男性のマジョリティだという事実を忘れないようにしながら、僕らなりの当事者研究を実験していくことは許されるのではないでしょうか。

マジョリティであることをあまりにも過度に反省したり、道徳的な男性批判にしてしまうと、それは本末転倒でしょうから、そのへんはバランスが大事かなと思います。いい意味での中庸というか、マジョリティとマイノリティの「間」をぬっていく感じ。

まく ふむふむ。

杉田 『つながりの作法』によれば、当事者研究は「試験の場」ではなく「実験の場」なんですね。正解があるわけじゃなくって個々の場ごとに更新されていく。「個人の実践によって更新され得る」という意味で「常に暫定的なもの」だともいわれております。僕らの「男らしくない男たちの当事者研究」も、そういう意味での「実験」なんだと思います。

まく なるほど。この「実験」が、僕達の場合はどんなかたちになるのか、まさにやってみたいと思っています。「マイノリティの人たちが開発してきた当事者研究という言葉を簒奪してしまう」「フリーライドして骨抜きにしてしまう」、この危うさについては、僕ももう少し考えてみたいと思います。それこそ、「実験」しながら。……いやー、ホントに、うねうねしてしまいますね、思考が!

杉田 これはもう「男」であることの宿命ですから諦めましょう、うねうねぐにゃぐにゃしてしまうことは(笑)。

まく ぐー……そうですねえ(笑)。

杉田 ……さて、今日はちょっと方法論の話がメインで、堅苦しくなっちゃいましたけれども、次回からはもう少し具体的な話になっていくはずです。今後は映画やマンガ、時事的なトピックなどを題材にして、二人で定期的に話し合っていくことになるのかなと。とはいえ、ちゃんとしたプランや見通しはあえて立てていません。あまり堅苦しくなく、基本的には楽しく、女子会ならぬ男子会的な感じで、あれこれと話し合って、試行錯誤しながら、手探りでゆるゆるとやってみたい。当事者研究って、もともとそういうところがあると思いますから……。

まく うーん、楽しみですねえ。どんな言葉が生まれてくるのか……。

杉田 何よりも楽しくやっていきたいですね。真剣ではあるけれど真面目になりすぎることもなく。笑いあいたいですね。弱さにおいて。

まく そうですねえ。真剣に、弱さに真っ直ぐになることで生まれるおかしみというか、ユーモアみたいなものを大切にしたいです。そんなかたちで楽しくやれたらすごく嬉しいですねえ。

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