学校教育のあいまいな根性論、パートに社員並みの貢献度を求める…「そもそも」を問う、正直者たちの疑問

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 珍しい10代からのピュアな相談に、コメントもいつものような切れ味鋭い刺身包丁レベルのものではなく、ややマイルドになっている。

「正論だと思います。後は、やり過ごす方法を覚えることだと思います」

「日本の教育は個人の能力を伸ばすんじゃなくて、みんなが平均的な能力を身に着けることが目的なんですよ。読み書きそろばんができる平均的な労働力を育てるんですね。そして集団生活を学ぶところでもあります。集団生活は一人が突飛な行動をすることを許さないんですね」

「トピ主さんのおっしゃることは正論です。40代女性の私もフムフムと思いました。でも、日本は『建前大好き』な国民ですから、トピ主さんの違和感はようするに『建前と本音のズレ』みたいなことですよね。」

 とはいえ、いつものように手厳しいものもいくつかある。子供にも容赦しないのが小町なのか。

「ここは日本なので、『先生の言う事に従う』事が第一義的に必要な事なのです。それらの経験を通じて日本人は団体での振る舞いを学んでいくのです、正しいか否かは別問題。つまり帰国子女の貴方の考えは欧米のそれであって日本人の考えではありません」

「郷に入っては郷に従えという言葉を知りませんか? 日本に居るのに『アメリカでは…』と言っても仕方ありません。ここは日本ですから習慣も考え方も違って当然だということをまず理解しましょう」

「私は帰国生の母の立場です。あなたのご両親の考えがわからないので何とも言えませんが、あなたの学校に対する不満を読む限り、この転校は失敗だと思います。

 まず『アメリカの学校だったら…』『アメリカでは…』『アメリカ人は…』は、あなたの見識の狭さを露呈しています。あなたは欧米至上主義が染みついているようですが、アメリカには欧米以外の人達も多く暮らしていて、それぞれの価値観の違いから様々な問題も起きています。多様性を受け入れるべき国が排他的になっている今の大統領選挙がその象徴ですよね。

 あなたが不満をぶつけるべき相手は学校ではなく、この進路を選んだ自分と提案したご両親です。インターへ転校したり、あと半年アメリカにいて高校から帰国生受け入れに優れいてる私立高校に入学する道もあったはずです。自分に合った進路を選んでくださいね」

 こんなに可愛らしい質問にも厳しすぎっ! さてトピ主はいくつかレスをよせた。

「郷に入っては…のアドバイスを下さった方が多かったですが、今のところ特に日本に合わせていません。僕が意見を言うと『そうだよ!俺もそう思ってたんだよー!』とか『お前の言うことは正しいけど、それは言っちゃダメなんだよ』とか教えてくれます。日本の生徒は先生が何を期待しているのかわかっていて、合わせてあげているんだなと思います」

 なるほどなぁ。中学生って児童ではあるけれど、考え方は半分大人で、こういう醒めたところもあったよなぁ。本当に甘酸っぱい気分にさせられるトピだ。

「恐らく学校でも社会でもmono-cultural(1つの文化)の中で生きる日本人にとっては、違う意見を受け入れることが難しいという特徴も、日本の文化の一つだと知りました」

 ちょっとあんた…ほんとに中学生!? 宇多田ヒカルじゃないの? トピ主はさらに、合唱コンクールの練習で感じた違和感を投下した。

「最近学校では合唱コンの朝練で、毎日朝7時半には教室にいないといけません。正直皆ダルそうで、全く練習になりません。でも参加しないとチェックされ、朝礼の時に叱られまます。僕はこんな練習やめればいいのにと感じています。なぜなら効率が悪いからです。皆本当は歌えるんです。でも朝だから声が出なかったり眠かったりやる気が出ないので、だらだらしているんです。特に僕は声変り中なので、朝の声はひどいんです。でも指揮者は『感情がこもっていない!』とみんなを叱ります。正直感情をこめても下手な奴は下手です。それより音程を外す奴に個別に指導したり、『口を指が縦3本入るくらい開けろ』とか『腹に手を当てて、腹から声が出ているか確認して歌え!』と具体的に言えばいいのに、と思います。あいまいな根性論が好きですよね」

 曖昧な根性論が好き、というところは同意する。そういえば筆者は公立中学校に通っていた時期、部室でお菓子を食べていたのを見つかり、毎日部活の前に7キロ走らされるという特別メニューを命じられ、部活を辞めた。また同級生の誰かが盗みを働いたのだが、学年皆、柔道場に集められて、犯人が名乗り出るまで昼食も食べず夕方まで正座をさせられ続けた(結局犯人は名乗り出ないまま迷宮入りとなった)。一人の悪行のために罪のない多くの生徒が迷惑を被ったわけだが、こうした事件によって、反省を示すための過剰なペナルティ、横並び、連帯責任、など日本的な慣習を無意識のレベルのあたりに刷り込まれてしまったのかもしれない。

 でもひとつだけ。トピ主自身も「mono-cultural(1つの文化)の中で生きる日本人にとっては、違う意見を受け入れることが難しい」と言いながら、アメリカの多様性文化をこそスタンダードなものとして、日本の学校の文化を異質なものだと見ている側面があるのではないか。トピ主とは「違う意見」である教員や辛口コメントを受け入れることは難しい、んだろうし、教員や辛口コメント主がトピ主の意見を受け入れることもまた難しい……そういうもんなんだろうなあ。

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