
(C)messy
「ベビたん、早くママに会いに来てね☆」
「今日のベビたんはこっちを見てニッコリ☆今のところパパ似かな?」
妊娠中の女性たちが集うネットサイト上には、こうした文章を添えて、子宮内の写真が惜しげもなくアップされている。
それも画像加工アプリか何かを使って妙なスタンプをつけてみたり、矢印を使ってご丁寧に「おくち♪」や「おはな♪」など説明が添えられているものもある。
写真の端にいくつかある医学的な項目と、これまた「検査感」丸出しのほぼ真っ黒な映像写真の中に、ひよこだののスタンプが置かれているサマに、私は妙に違和感を覚える。
同じ検査とは言っても、腫瘍が見つかった患者がレントゲン写真か何かを使って
「←ココ☆」だなんてことをするはずはない。
妊娠による通院や検査は、一般的なそれとは違ってプラスでしかない、おめでたい事なのだから、その喜びも相まって、こういったメルヘンな行動に出てしまうのだろうか。
しかし、他人の子宮の中なんか見てどうするんだ。
内臓だから、グロい
昨年の9月、私の妊娠は発覚した。
子供のころからイメージしていたのは、ある時「オエーッ」となって「もしかして……」なんて言いながら検査、
「あなた、どうやら、できたみたいなの……」「おお!! でかしたぞ!!」
……漠然とこんな感じだったが。
実際の発覚時は妙に冷静で、というかまだ妊娠している実感などないまま、初めてのエコー写真を手にし家路に着いたものだった。
それを夫と母以外の人間に見せることは、出産するまで一度もなかった。
それどころか、レストランで母に見せるためにテーブルにエコー写真を置くこと(ウェイターなど他人の目に晒されること)にすら恥ずかしさを感じていた。
たぶんそれは、場違いな物がそこにあってぎょっとされるんじゃないかという懸念もあるが、一番は写っている部位が部位だから、なのだと思う。
だからネット上にエコー写真をアップする行動について、極端な発想かもしれないが、女性器を晒すことは恥ずかしいこと(それ以前に犯罪だが)なのに、子宮の中身を晒すのは恥ずかしいことじゃないのか……!? と疑問を抱いてしまうのだ。
現に私は、他人の女性のエコー写真を見ると、少し嫌悪感すら抱く。
内臓なので、「グロ注意」の警告文くらいあってしかるべきだろう。
しかしエコー写真をSNS含めネット上にUPする“プレママ”たちは、まるで「赤ちゃん」そのものを披露するかのような調子で、検査の度に写真を赤の他人に見せたがる。
胎児なんて最初は皆、同じ豆粒のような小さいものだし、大きくなったらなったで画質が荒くて見えなかったり、骨だけが強く写って宇宙人っぽかったりもする。
それなのに、「お口はパパ似で、お目目はママ似♪」とか「今日立派なシンボルが!!お股開いてどうだ!とアピールしてきました♪」とか、何言ってんだ?