
「女ひとり、家を買う。」Photo by Amanda B from Flickr
明けましておめでとうございます。連載「女ひとり、家を買う。」2017年第1回は、12月に住宅コンサルタントのさくら事務所にて行われた「家を買い隊」に対する初回のレクチャーの内容をお届けします。テーマは、住宅購入において誰もが気になる“お金”のこと。
不動産の価格は世の中の経済動向によって大きく変化します。家を買うことに躊躇する人は、それにともなう「価値の変動」への恐れがあるのではないでしょうか。事実、住宅購入には常に損得の可能性がついてまわります。しかも不動産価格の変動は、専門家でさえ予測することが難しいもの。多くの人がその変化を読むことができなかったからこそ、1980年代日本のバブル崩壊による地価の下落や、2000年代アメリカのリーマンショックによる金融恐慌が起こったのです。
とはいえ変化を過大に怖れると、私たち素人は買える時期を逃してしまいかねません。そこでさくら事務所の田中歩さんに単刀直入に聞いてみましたーー「2017年は、住宅の買い時なのですか?」。
●田中歩さん
不動産コンサルタント。三菱UFJ信託銀行にて、企業向け不動産コンサルティング・不動産相続コンサルティングなどを切り口に不動産売買・活用・ファイナンスなどの業務に17年間従事。以降独立し、ユーザー目線で住宅購入サポートや住宅売買コンサルティング仲介などのサービスを行っている。2014年より同事務所執行役員。日本経済新聞電子版「転ばぬ先の不動産学」など、執筆活動も行っている。
都内の不動産価格は、上がり切っている
※以下の内容は、「家を買い隊」へのレクチャーでモニターの皆さんに対してお話しいただいた内容を、記事として再構成しています。

現在の都心23区の中古マンションは高い! 右肩上がりのグラフを覗き込むメンバー
田中歩さん(以下田中)「都内に関して言いますと、現在『家を買い隊』の皆さんが狙っているような都内の中古マンションはかなり高くなっています。2012年末に民主党政権が倒れて自民党に政権交代し、黒田東彦さんが日本銀行総裁になってからは、金利を思い切り下げていく政策を取っています。結果的に東京区23区では住宅価格がどんどん上がり、現在、中古マンション価格においても3年前と比べて約25%以上の価格上昇が発生していまして、リーマンショック前より高くなっているのです」