社会

頻発した大学生の集団暴行 東大生集団わいせつ事件に見るエリート意識と思い上がり

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強制わいせつ罪と暴行罪で懲役2年、執行猶予4年

 この事件では東大の院生3人、学部生2人の計5人が逮捕され、被害者と示談が成立した院生2名を除く3人が起訴された。事件直後に逮捕されたのは工学部システム創成学科の4年生、松見謙佑。松見を除く4人は、同席者らへの口止めやメンバー間の口裏合わせ、「誕生日研究会」のツイッターアカウントやLINEグループ削除など、証拠隠滅を図っていたことがわかっている。のちに逮捕されたのはこの4人のうち松本昂樹と河本泰知。松本はシステム創成学科卒業後、同大学院に進学。修士1年。河本は松見と同じシステム創成学科の4年生だった。不起訴となったA、Bはともに松本と同じ修士1年である。

 起訴された3人の公判は今年7月から10月にかけて東京地裁で開かれた。松見は、被害者を全裸にしその背中を叩き、馬乗りになってキスをしたりラーメンの汁をかけるといった暴行罪と強制わいせつ罪に問われ、懲役2年、執行猶予4年の判決が下されている(求刑懲役2年)。一次会には不参加だったが、二次会の会場となった部屋に住み、犯行当時、被害者のお尻を触ったり、前かがみになっている被害者の上半身に手をかけ起こそうとしたとして強制わいせつ罪に問われた河本の判決は、懲役1年6月、執行猶予3年。そして被害者とかつてセフレの関係にあった松本は、当日の飲み会に被害者を誘い出し、一次会で山手線ゲームの難しいお題を設定するなどして被害者に酒を多く飲ませるように仕向け、二次会の席上でも、松見と同じく被害者の服を脱がせ、その背中を叩くなどして暴行罪、強制わいせつ罪に問われ、懲役1年10月、執行猶予3年(求刑懲役2年)の判決が言い渡されている。3人はいずれも公判で起訴事実を認め、裁判所もこれを認定。控訴せず確定した。

 彼らは公判で被害者への反省を口々に述べる一方で、このようなことも語った。

「やはり自分の中で被害者を軽んじる気持ちが強かったことと、場の雰囲気で自分の行為が、許されるんじゃないかという甘い考えがあったと思います」(松見)

「仲間の間で女性をモノ、性の対象として見て人格を蔑んでる考え方が根本的にあったと思う。大学に入学してサークルなどで他大学の子と接して、彼女らはアタマが悪いからとか、バカにして、いやらしい目でばっか見るようになり……という、男たちの中でそういう考え方が形成されてきたように思います」(河本)

「私の女性間ですが(近づいてくる女性は)個人的に私を好いてくれるのではなく、下心があって近づいているのではないかと。そういう人たちに対して苦手意識、軽蔑する気持ちがありました」(松本)

 自分たちに近寄ってくる女性たちには“東大ブランド”目当ての下心を持っており、自分たちよりも頭の悪い女性は性的対象であり、軽んじてもよい……彼らの中の歪んだ価値観やプライドが表出した発言だ。実際、彼らは被害者を“ネタ枠”として位置付けていたという関係者らの証言もあるほか、河本以外には、偏差値ランクの高い東京女子大の学生を彼女に持つ者もいたという。被害者の通う大学の偏差値は45から50程度だった。あからさまに女性を頭の良し悪し(この場合、大学の偏差値の高低)でランク付けし、ネタ枠と位置付ける被害者をオモチャとして扱い、その場を盛り上げるためだけに利用したのだ。

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