社会

頻発した大学生の集団暴行 東大生集団わいせつ事件に見るエリート意識と思い上がり

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 当該記事掲載の『新潮45』入稿に際して、また発売後、3人の判決が確定したタイミングで、筆者は東京大学広報部に対して、彼らの処分を公表する予定があるか複数回尋ねたが「処分を下してもそれを公表する予定はない」の回答を得ていた。だが12月7日、同大学HPに処分内容が公開された。これによると本件で逮捕された5人のうちの2人が1年の停学、3人が退学処分。起訴された松見、河本、松本は退学処分と思われる。それまでかたくなに処分内容は非公開だという回答に終始していたにも関わらず、それを公表した背景には、立て続けに報じられた慶應大学、千葉大学医学部の事件を受け、世間が学生の集団暴行事件に厳しい目を向けていたことも無関係ではないのではないか。

 修士1年の松本は退学処分になろうと東大卒であることに間違いはないが、学部生の松見と河本は、東大ブランドを失った。それどころか現時点では高卒という経歴だ。実は河本は、起訴前に被害者から示談に応じる条件として『東大を自主退学すること』を求められていた。だが「自ら学業を諦め手放すことについて決心がつかないと言うので尊重しようと思いました」(河本母の証言)として、示談交渉は決裂し、河本は起訴されるに至った。いま振り返ってみると、結果として示談に応じようが応じまいが、大学を去ることに変わりはなかったのだ。だが、起訴前に示談できていればおそらく不起訴となり前科はつかなかった。東大ブランドに固執するあまり茨の道を選んでしまったとも言える。

 事件の背景には、彼らの歪んだエリート意識と思い上がりによる勘違いがあった。また事件後も、それを捨てきれなかった。だが彼らはおそらく被害者に対して反省してはいないだろう。河本はツイッターの鍵付きアカウントを今も持ち続けており、判決宣告日の夜には『あーもうみんな死ねばいいのに』などとつぶやき、不起訴になった修士1年のひとりも、河本のつぶやきを受けてツイッターで『世の中ゴミすぎるやろ』などと意味深な発言。河本は大学の処分公表を受けても、大学側の発表内容に疑問を呈するような書き込みをしている。自分たちこそが被害女性によって人生を狂わされた被害者だとでも思っているかのように。

(高橋ユキ)

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