社会

坂上忍「芸能界のセクハラがなくなることはない」「女じゃなくて女性って呼べばいい?」

【この記事のキーワード】

 「そういう制度をもうけたことで上司が『面倒くさいから男の部下としかつるまない』となったら、逆差別が生まれるのでは」というスタジオの一般男性からの意見、さらにスタジオの一般女性から「セクハラを騒ぐ女性は高学歴で自分に自身がある人が多い。私は自分に自信がないからそういう女性に勝とうと思ったら逆に上司のおじさんとかにセクハラされるように仕掛けていく」という声も出た。

 坂上は後者の女性に「あなた正直に言ってくれたと思う。いつも男女平等とか女性差別とかいう話になったとき、女使って何が悪いんですかっていう女性だっているじゃない。そうしたら、セクハラOKな女性とNGな女性との判断難しいよね上司は」と頷き、結局この議題は「男性が女性の気持ちわかるのってめちゃくちゃ難しい」ということでまとめられてしまった。番組として、これを放送する意義があったのか疑問だ。特にMCの立場でありながら終始「オレは全然わかんねえわ~」と顔をしかめるばかりの坂上。ある意味、視聴者の総意を代表しているのかもしれないが、セクハラ問題や日本社会の構造的な女性差別を軽んじているその姿勢は“芸能界の御意見番ポジション”たるに値するものだろうか。

 セクハラ問題以外のテーマで議論した際も、坂上は「『女』じゃなくて『女性』って言えばいいの?」等、頓珍漢な発言を繰り返し、しかめ面を浮かべていたが、その見識の浅さを本人が恥ずかしいと思わず堂々と発言していること自体が滑稽にうつった。坂上がバラエティで再ブレイクした数年前、“破天荒”で“毒舌”の非・優等生的キャラクターを売りにしていたものだが、同番組での振る舞いは破天荒とか毒舌とかではなく、固定観念が強く、意見の異なる相手を威嚇するばかりの厄介なおじさんである。

 そもそも番組自体、<なんでもかんでもセクハラと呼ばれ弱体化してしまう男性の立場…>というスタンスで制作されているもので、台本通りに展開される議論に期待しても無意味なのだが、正月からプライムタイムにこんな特番が平然と流れることにただただがっかりだ。差別やセクハラを論じるとき、言葉遣いの問題や、“エロ”の度合い云々ではなく、相手の自尊心を傷つけることや相手に恐怖を与え仕事しづらくさせることなどについて議論を展開させることはできないものだろうか。

(清水美早紀)

1 2

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。