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年金はヤバくない? 「年金なんて払わなくていい」はサイテーな大人の意見

【この記事のキーワード】

目指す境地は「意外と悪くないじゃん、日本の年金」

 未納者に対して厳しい仕組みに変わることも決まっています。

 未納者には最初に「督促状」が届きます。そこで指定されている期限内に保険料を払わなかった場合には、給与、預貯金、自動車などの財産が差し押さえられます。これまでは年間所得350万円、未納月数7カ月以上が差し押さえの対象でしたが、平成29年4月からは年間所得300万円以上で未納月数13カ月以上が対象となります。既に差し押さえをされた人もいますが、4月からは今まで以上に増えると思われます。さらに平成30年からは年間所得300万円以上で未納月数7カ月以上と対象が拡大する予定です。

 残念ながら、私たちがこの国の法律を簡単に引っくり返すことはできません。もちろん望ましい方向に制度を変えていくことも重要ですが、日々の生活を問題なく送るためには、いったんこの国に生まれた宿命として今の制度を受け入れて、いいところを見つける方がずっと気持ちよく年金保険料を払っていけると思います。

 現在の年金制度は、おじいちゃんやおばあちゃんたちを支えることができ、自分や家族の保険の要素もついていて、老後はどんなに長生きしても死ぬまで一生受け取れる、というものです。長生きすれば、ものすごい金額を受け取ることができるかもしれません。実際に、現在の年金受給者の夫婦は平均して生涯で6000万円以上を受け取っています。悪者扱いをされているわりになかなかの金額だと思いませんか? 今後、受給額は減るとは思いますが、それでもトータルでは自分で積み立てて用意できないほどの金額を受け取れる可能性はとても高いです。

 「元を取れないどころか、この国の年金が破たんするのではないか」という人もいます。でも年金が破たんする可能性よりも、あなたが長生きをして「元を取る」可能性の方がよっぽど高いと思います。

 過去と比べると実際ちょっぴり寂しさを覚える年金ではありますが、今は今で、未来は未来なので、過去と比べても無意味です。勉強すればするほど「意外と悪くないじゃん、日本の年金」と感じるようになると思います。「年金なんて元が取れないので払わなくていい」はサイテーな大人の意見だということをしっかり覚えておいてください。

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川部紀子

ファイナンシャルプランナー(CFP® 1級FP技能士)。社会保険労務士。1973年北海道生まれ。大手生命保険会社に8年間勤務し、営業の現場で約1000人の相談・ライフプランニングに携わる。その間、父ががんに罹り障害者の母を残し他界。自身もがんの疑いで入院する。母の介護認定を機に27歳にしてバリアフリーマンションを購入。生死とお金に翻弄される20代を過ごし、生きるためのお金と知識の必要性を痛感する。保険以外の知識も広めるべく30歳でFP事務所起業。後に社労士資格も取得し、現在「FP・社労士事務所川部商店」代表。お金に関するキャリアは20年超。個人レクチャー、講演の受講者は3万人を超えた。テレビ、ラジオ等のメディア出演も多数。近著に『家計簿不要!お金がめぐる財布の使い方』(永岡書店)がある

twitter:@kawabenoriko

サイト:FP・社労士事務所 川部商店 川部紀子】

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