「20代女性」への警鐘鳴り響く性病・梅毒、彼氏としかセックスしていなくても感染するのか?

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 国立感染症研究所の集計から、昨年1年間の梅毒患者の報告数が4518人にのぼったことがわかった。4000人を超えるのは1974年以来、42年ぶり。そのためか多数のメディアでこの“梅毒増加”の報道が見られる。中でも目立つのは『20代女性に急増』の見出しだ。ところが、割合をみれば確かにそれは正しいが、実際の患者数を見てみると、全体の7割は男性だ。

■20代女性「梅毒」急増に医師が懸念 そのリスクとは?〈週刊朝日〉

■梅毒感染、42年ぶり4千人超 20代女性で急増(朝日新聞)

■20代女性に梅毒急増中のナゼ 年間4000人超…風俗で働く人の低年齢化など背景に諸般の事情(夕刊フジ)

20代女性の患者数は多いが…

上田医師「2015年第1〜53週までに診断され、感染症法に基づく 医師の届出による梅毒として報告された症例数をみると、たしかに女性報告全体のうち20~24歳が31%と一番多いです。どちらかというと女性の方が、男性よりも若い世代に多い。一方男性では40~44歳の割合が多いものの、その前後の年齢の患者の割合も少ないわけではなく、比較的幅広い年齢層にわたっています。男性では第I期、第II期梅毒の上昇率が高く、女性では無症候性と第I期、第II期梅毒の上昇率が高いです。ここから、最近になって新たに感染する人が増えているということが言えます。無症候性の梅毒も増加していることに注意が必要」

 国立感染症研究所が昨年まとめた2015年までの梅毒患者数のデータからも、様々なことが読み取れる。

 都道府県別、男女別、年代別に集計されており、そこからはやはりダントツに東京都の患者数が多いこと、二番目に多い大阪府の約3倍もの差があることもわかる。また、2015年の時点ですでに20~24歳女性の患者数の増加が見られるが、全体の患者数を見てみると、男性が2000弱であるのに対し女性は800弱。もっとも患者数が多いのは40~44歳男性であった。報道に『20代女性に増加』とあるのは確かに間違いなく、そこに梅毒患者数増加の原因を探る糸口があるのかもしれないが、やはり女性は男性の患者数には及ばない。各媒体が『20代女性に増加』と煽りたくなるのもわかるけれども、そもそも圧倒的に保菌者の多い男性にこそ注意喚起を促すべきだろう。

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