「20代女性」への警鐘鳴り響く性病・梅毒、彼氏としかセックスしていなくても感染するのか?

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 しかしなぜ『20代女性に増加』の傾向が見られるだろうか。「原因ははっきりしない」と朝日新聞も今回の梅毒患者数4000人越えのニュースで報じているが、前出の国立感染症研究所の資料のまとめには、こうある。

「感染経路は、2012年までは男性の同性間での性的接触が多く、2013年以降は、男女ともに異性間の性的接触が増加している」

 男性の感染経路の変化が、女性の患者数増加にもつながっているのではないか、ということだ。保菌者である男性から若い女性に感染するケースが増えたということなのだろうか。

中国で『梅毒』は社会問題

 前編で上田医師が語ったように「2010年から増加に転じた」ことも気にかかる。ここ近年で急速な増加を見せているのだ。この6~7年に何があったか調べていると、2015年に「週刊ポスト」(小学館)がすでに、若い女性の梅毒患者数増加の陰に中国での梅毒大流行を指摘する記事を出していた。ここ数年、日本では馴染みの光景となった『爆買い中国人』の団体客を風俗店が受け入れていたが、そこから風俗嬢に感染したのではないかと疑う内容だ。実は中国では梅毒の患者数が日本とは比べ物にならないほど多い。この記事には、中国における2014年の梅毒発症数(香港、マカオを除く)は41万9091人とある。さらに、2月1日には、レコードチャイナがこんな記事を配信した。

■中国の性感染症で「異常な現象」が進行中、未整備な医療制度のため実情把握困難か

 中国では医療保険が未整備のため、梅毒になっても無症状の時期があるため病院に行かないのではないか、と記されている。今回の日本での患者数増加に関して、誰から感染したかというデータがない以上、原因の特定に至ることは不可能だが、このような背景もある。訪日外国人の存在を無視して梅毒の流行を分析することは困難ではないだろうか。

 最後に上田先生に、予防法や注意事項を聞いた。

「感染している人が必ずしも不特定多数の人と性行為をもっているということではないので、自分はそんなにいろんな人とセックスしてないから、と安心できる状況ではない。特定のパートナーとの性交渉でも相手が病原体を持っていれば感染するリスクがあることを知って対策するべきでしょう。また梅毒の感染がある場合、ほかの性感染症を合併していることもあるので、しっかり検査をしてください。

感染した場合は、パートナーと同時に治療する必要があります。一方が治療したとしてもパートナーに移されるいわゆるピンポン感染ということが起きてしまうんです

また、もちろんですが不特定多数の人との性的接触はリスクがあります。コンドームは最初から最後まできちんと装着が必要、オーラルセックスやアナルセックスでも感染するので注意してください。また梅毒は免疫がつかないので過去に感染して治療したとしても、その後また梅毒との接触があれば何度でも感染します」

 ごく普通の「付き合う相手としか性行為をしない」というカップルの間でも、彼氏が彼女にうつし、彼女が彼氏にうつし……という例は実際にある。これ以上の流行を防ぐためにも、新規セックスに挑む前には病院にて両者の性病チェックをすることが賢明だが、そのようなカップルはごく稀だろう。「何かあってから」検査を受けるのではなく、「何かする前に」検査を受けておく、という予防観の浸透が望まれる。

(山尻コマ子)

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