政治・社会

「男女賃金格差が過去最小に」というニュースに隠された、本当の男女賃金格差。

【この記事のキーワード】

次の図は2016年の労働力調査をもとに作成した就労者数です。messy読者層の中でも特にこの問題で苦しめられているであろうアラサー世代に焦点を当てています。驚くべきことに、高卒男性のほうが大卒女性よりも正規雇用者数が多いのです。

「男女賃金格差が過去最小に」というニュースに隠された、本当の男女賃金格差。の画像5

次に、高卒男性と大卒女性の賃金を比べてみます。こちらの図も2016年度労働力調査から作成したものです。

※クリックで拡大

※クリックで拡大

年収300~399万円のグループが最も多い層で、高卒男性を濃い青、大卒女性を濃い赤で示しています。実際に正規雇用者の平均賃金を見ても、この年齢の高卒男性と大卒女性の間にはあまり差がありません。日本の高校の8割近くが普通科や総合科などの非職業系学科なので、特別な職業スキルが身につくような教育が提供されているわけでもありません。大多数の高校、高卒男性の学力やスキルが、一般的な大卒女性よりも現代の日本に求められるスキルや能力を持っているとは考えにくいでしょう。しかし、現実的に大卒女性は高卒男性よりも正規雇用が少なく、高卒男性と大卒女性の賃金にもあまり差が無いのです。このような状況は、高等教育が日本の女性の社会的地位の上昇に持つ効果が限定的であることを示しているように思われます。

男女賃金格差は、教育によっても容易には縮まらないでしょう。教育と雇用というのは強い関連性を持つものですが、教育側ですべてを改善することは不可能です。むしろ教育の在り方というのは、労働市場の影響を強く受けるものでもあり、受け皿である労働市場側が男女の社会経済格差を是正するための取り組みを積極的にする以外に、現状の男女格差を改善することは不可能でしょう。今回のニュースは男女賃金格差の縮小という今回のニュースですが、日本の女性労働者が本当に公平な扱いを受けるまでにはまだまだ時間がかかりそうです。

参考

「平成27年高等学校学科別生徒数・学校数」(文部科学省)
「2016年労働力調査」(総務省統計局)
「2016年賃金構造基本統計調査」(総務省統計局)

※3月6日追記:一部表記を変更しました。

1 2 3

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。