連載

40代突入から続く体調不良にぶち切れ、仕事そっちのけで健康を追求する大名遊びにはまる

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徹底的な体質改善の2週間

 まずは、頭を軽くする物理的な方法論として、腰まであった長い髪を60cm切り、ショートボブにした。これまで緑や青の寒色系のカラーを入れていたのだが、装いも新たに今期はピンクである。ヘアリニューアルにあたり、メイクアップアイテムやマニキュアを新調し、クローゼットの中の髪に合わない服や靴を容赦なく捨てた。ついでに本棚や資料の整理も行い、部屋を一掃し、誕生日までには模様替えも行う所存である。

 次に、運動の強化。朝、なんとか午前中に起きてカーテンを開け、太陽光を浴びながらヨガの完全呼吸法クンバカを行い、呼吸を体に通す。そしてこれまで週1回だったジム通いを週3回に強化。マシーンで筋トレ、トレッドミルで30分以上のウォーキングを行い、交感神経に気合を入れる。その後、ヨガで副交感神経を整え、ジャグジー、サウナでメンテナンス。毎回3時間以上かけて、脳をほぐし、身体の代謝を上げる。一石二鳥の人体実験である。街場では、バスやタクシーの利用を極力控え、歩く。

 自宅では、顔面には常にシートマスク。お腹には湯たんぽ。アロマディフューザーの香りと蒸気に癒されながら、バランスボールを椅子がわりに仕事をする。が、まったく集中できない。バランスボールが気になって仕事に集中できないわけではない。普通の椅子に座っていても集中できないときはできないのだから、同じだ。どうしようもないので、いっそ潔く諦めて、粗塩を1kg投入したお風呂にゆっくり浸かり、髪のトリートメントやソルトマッサージに精を出す。お風呂上がりはオイルマッサージやツボ押しを行い、全身のリンパを流しまくる。

 食事も変えた。かつて自分が試してみて効果があったグルテンフリーや糖質コントロール、その他の食事制限を徹底検証し、今回は白い炭水化物を断つ方法を選択。食べて良いのは、玄米と黒米と十穀米と十割蕎麦と決めた。朝食にこの主食と共に、青汁、女性ホルモン対策の大豆イソフラボンを含む納豆や豆腐のお味噌汁、海藻類、野菜などを摂採り、昼以降は炭水化物を無視。食品栄養辞典や食事療法の本を熟読し、不調を改善する食材を選び、食す。何にでもオメガ3脂肪酸の亜麻仁油とお酢をかける。お酢は米酢、黒酢、リンゴ酢、柿酢、バルサミコ酢、ワインビネガーを用意してあるので、素材と気分に合わせて自由にチョイスする。キャベツ酢、タマネギ酢、レモン塩などもせっせと拵える。代謝を上げるためには、生姜も欠かせない。毎朝生姜をすりおろし、煮物や鍋や紅茶に入れて美味しくいただいている。

 一度、やると決めたらとことんやらなければ気が済まない。そのような熱中気質と、やる気ゼロの倦怠期のハレーションが極端なあたり、いかにも脳にダメージを与えていそうだ。が、そこは「脳と心の健康を保つ」ための食材もきっちり調べた上で食らっているのでクリアとする。しかし、有効な栄養素を含有していたとしても、多量に摂取しなければ効力を発揮しない食品種の場合、そんなにいっぱい食べられないという現実問題に難儀する。よって、サプリメントで補給する方が合理的だが、当方は固形の錠剤を飲むという行為に腹を立てているので、サプリメントは却下だ。レモン100個分のビタミンCの錠剤を飲むくらいなら、つべこべ言わすにレモン100個を食らえばいい。

 何より凝り性ぶりが炸裂しているアイテムといえば、かねてより好きで取り揃えていたスパイス、ハーブ、ハーブティー、お茶各種。それぞれの効能を調べ、生理痛の緩和や頭痛の解消に効くブレンドを自ら調合するうちに夢中になり、スパイス検定やハーブ検定を取得する勉強まで開始した。取得して、どうするつもりなのか。ただいま頭がおかしいため、自分の行動を自分でも掌握し切れない。曰く、迷走中である。

脳の欲望と依存

 スパイスといえば、当方は激辛料理が大好きで、月に一度は蒙古タンメン中本の激辛ラーメン「北極」を10倍辛でいただく習慣がある。今はラーメン禁止中なのでお休みしているが、よくぞこれまで内臓に支障を来さずに生きてきたものだ。虚弱体質を自覚していたが意外と頑丈である。

 しかし、思えば、激辛を摂取したい欲望は脳のメカニズムより派生する代物である。味ではなく、痛みを感知した脳が危機意識よりアドレンリンを分泌し、それを緩和させるための快楽物質ドーパミンを大量分泌する。その分泌の快楽が気持ちよすぎて、ひたすらに激辛道を極めてきた感がある。このメカニズムが嗜好をエスカレートさせ、依存度を高める。

 煙草のニコチン依存もまた、脳のメカニズムより派生する欲望の一種である。体はもちろんのこと、何より脳にも負担を与えているだろうから、嗜好品である激辛や煙草が、「頭がおかしくなる」要因として暗躍しているとも考えられる。よって、寂しいが、さよならだ。体に良い効能を持つスパイスは美味しくいただくとして、過剰な激辛フードファイターのごとくのチャレンジは一休み。煙草は、ニコチン不足の脳を喜ばせる一方で、体にも他人にも百害あって一利もない。よって、思い切ってやめる。そう決めるや否や、おしゃれな電子タバコVAPEと柑橘系のリキッドとガムとおしゃぶり昆布を購入し、禁煙開始。

 最大の嗜好品である酒については、スパイス同様の対処法で攻めたい。つまり、過度に依存的であったり、睡眠や自律神経に影響を与える量だったりと、「程度」を超えて明らかに体に悪い飲み方をやめ、工夫を凝らす算段である。まず、今の季節柄、体を冷やしたくないので、焼酎のお湯わりやホットワインなどの暖かいお酒をいただく。焼酎のお湯割には、代謝対策のすりおろし生姜や金時生姜の粉末、焼き梅を加える。または、煮沸消毒した瓶を3つ用意し、それぞれに新生姜、クコや棗の実、玄米茶を入れ、焼酎を注いで1週間寝かせた特性フレーバー焼酎をお湯で割るのもよし。

 旬のフルーツに、薬効のあるスパイスやハーブを加えたサングリアも赤、白完備。今は、りんごとはっさくと黒胡椒、山椒、クローブ、ローズマリー、シナモンスティックを加えた赤にはまっており、そのまま温めてヴァンショー(スパイシーホットワイン)としても美味しく飲んでいる。これらを寝る3時間前までに摂取。その後は、ごぼう茶やゴーヤ茶などのパンチのある熱いお茶か、快眠ブレンドのハーブティーを飲むか。体調によって手をかえ品をかえ、脳をせっせと騙している次第である。

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