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「発達障害は親のせい」はデマ。発達障害の診断は、これからを考えるためのステップ 児童精神科医・姜昌勲さんインタビュー

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発達障害は、愛着不足によって情緒や対人関係に問題が生じる「愛着障害」と間違われがちだとも聞く。

「確かに愛着不足などの理由で、発達障害に似た症状が出ることはあります。でも元を辿っていくと、愛着障害なのか、虐待による影響なのか、そもそも発達障害の症状があり、うまく対応できなかった親が虐待をしてしまったのか、明確にわけることなんて無理なんです。だからこそ、原因追及よりも、現実的にどういった支援を取りうるのか、未来志向で考えていくことが大事なんです」

では保育や教育現場において、どういった支援が望ましいのだろうか。

「教員の数を増やして困っている子どもをサポートするような人的支援も必要だと思います。ただスペシャリストを作るよりは、みんなが理解して、適切な対応方法を少しでも知っておくのが大切なんじゃないでしょうか。対応を知らないから、のけ者にしようとする。うまく対応できれば、みんな『やっていけるじゃないか』と、協調して生きていく社会になると思うんです。成功すればするほど本人も、支援者も自信がつくじゃないですか」

学校現場でも、親学と通底するような教育が見られる中、こうした理解も支援もまだまだ不足しているのが現状だろう。最後に、子育て中の親御さんに向けてメッセージを伺った。

「子どもが生まれて不安はたくさんあると思います。声を大にして言いたいのは、我慢しないで欲しいということ。一人で抱え込まないで欲しい。助けを求めて欲しい。しんどいときはしんどいって言う。どうしていいかわからないときは、どうしていいかわからないって言う。いろんな人に頼る。発達障害と診断されたかどうかとは関係なく、育児に不安を抱えているなら、それを心がけて欲しいです。

その中で、子どもが発達障害なんじゃないかと思ったら迷わず診察を受けに行ってください。医療機関を受診するのは、子どもが病気扱いされるために行くわけじゃなくて、プロの治療者・支援者と一緒に、どういう風にしていったらうまくいくかを考えていくためです。診察を受けるためだけに医療機関に行くと考えないで欲しいですし、診断されることをネガティブなものと捉えないで、これからのことを考えるためのステップだと思ってもらいたいですね」
(聞き手・構成/カネコアキラ)

※3月3日追記:本文中の誤表記を修正いたしました。

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