
Photo by Jordan LAB from Flickr
AV業界に激震が走っている。まず、今年1月に、海外アダルトサイト『カリビアンコム』に無修正のわいせつ動画を配信していた制作会社・ピエロが摘発され、同社社長ら6人が逮捕(わいせつ電磁的記録媒体送信頒布罪)された。そして3月2日、当該無修正動画に出演していた女優1名と男優2名、および女優を派遣していたプロダクションの従業員らも逮捕されたことを警視庁が発表した。議論になっている女優へのAV出演強要問題とはまた別の角度で、AV業界にメスが入れられているということだ。
これまで無修正アダルト動画は、日本国内で撮影・編集した動画データをいったん海外に空輸し、現地にてサーバアップすれば“安全”と認識されていた。しかし「海外サイトを通してインターネットに配信されることを知りながら撮影を行った」ことで逮捕されるケースは、2013年、2015年にもあり、徐々に安全神話は通用しなくなっていると見られている。
それにしても、一般ユーザーの中には、無修正アダルト動画を閲覧したことのない人もいるだろう。筆者もその一人だった。ゆえに、そこにUPされている動画は全部、通常のメーカーものAVのモザイクを「はずした」ものだろうと思い込んでいた。大手サイトをパッと覗いてみると、出演している女優も、モザイクありで流通しているAVとそう変わらないラインナップである。しかし、かつて「裏ビデオ屋」に置かれていたような過去のAVの「モザイクなしver.」を配信しているケースもあるが、わざわざ「無修正アダルト動画用」に制作されるアダルト動画も増えているのだという。
その撮影はおもにスタジオ等で行われるが、制作するのはSODのような大手メーカーではなく、小規模の制作会社。男優や女優は、モザイクありの大手メーカーAVにも出演する面々が多いが、いわゆる単体女優はそこのメーカーと専属契約を結んでいるため無修正モノには出ていない。企画単体女優および企画女優がほとんどである。また、撮影スタッフも制作会社の人間ではなく、別の映像制作会社やフリーのカメラマンに委託することもある。照明やヘアメイクの担当者は外部スタッフが多い。では撮影内容は、メーカーものとどう違うのか、あるいは違わないのか。業界関係者に聞いてみた。
1 2