女性の住宅購入、内見した物件を「バーチャル診断」してもらったら懸念点が続々と…

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「女ひとり、家を買う。」Photo by Amanda B from Flickr

「女ひとり、家を買う。」Photo by Amanda B from Flickr

 前回は“家を買い隊”のベラさんの内見の様子をお届けしました。実際にその場に行き、自分の目で見ることによって、ピロティの存在や、共用部分の古さなど、広告の情報だけでは分からない懸念点が見つかったベラさん。

▼前篇:家を買い隊、内見を開始! 築浅希望だった女性が築古マンションを見る時どこに着目する?

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ベラさん、39歳

【プロフィール】
既婚。東京都渋谷区の夫名義の分譲マンションで2人暮らし。自宅とは別に、投資用として物件購入を検討中。約10年の専業主婦期間を経て、2017年1月から飲食系企業で就業。年収は500万円弱。

 限られた予算のなかで物件を探そうと思うと、完璧な物件を探すのは難しいもの。気になる物件のウィークポイントが深刻なのか、それとも目をつぶってもよい程度なのか……。そんなときには、住宅診断の専門家に相談することもひとつの方法です。

 今回はベラさんが、さくら事務所のホ―ムインスペクター(住宅診断士)川野武士さんによる「バーチャル診断」を受けた様子をお伝えします。

「バーチャル診断」は、例えば、多数の候補の中から購入すべき物件を決める際に、ホームインスペクターが現場に行くことなく、資料や画像を見た範囲で、建物への疑問や不安についてアドバイスをするサービスです。ベラさんが内見した物件は、専門家の目にはどう映るのでしょうか?

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川野武士(かわのたけし)さん

【プロフィール】
ホームインスペクター 一級建築士 住宅と公共建物の設計、監理の経験を経て建築コンサルタントに従事。住まいの計画前から設計中、施工中、完成後まで幅広い相談に対応。また、施工中の現場では運営状況の改善などのアドバイスを得意とし、これまでに受けた住まいに関する相談は、1,000件以上。状況に応じた的確なコンサルが好評を得ている。

【ベラさんが内見した物件】
所在地:目黒区 京王井の頭線「神泉」駅から徒歩7分
専有面積:約50㎡
築年数:45年
間取り:1LDK
価格:2,900万円(内装リノベーション済)

川野武士さん(以下、川野):内見された物件で、まず私の目についたのは築45年という築年数の古さです。1981年以前は旧耐震の基準なので、現在の水準と同程度の耐震性をお求めなら、こちらの物件が実際どうなのかを確認しなければいけません。ひとつ、売り主さんに問い合わせていただきたいのは、この建物は管理組合の方で耐震診断をしたことがあるかということです。

ベラ:仲介会社の人に聞いた範囲では、耐震診断をしていないとのことでした。

川野:今の時点で耐震診断してない場合は、これから先、診断を受ける可能性があるということです。今のところは任意になっていますから、気にされている方は少ないですけれども、もしかしたら将来、政府に義務付けられる時期が出てくるかもしれない。国は耐震診断をしていくように推進しているので、可能性はあります。

ベラ:買ったはよいけど、耐震診断で不動産の価値がガクっと下がったらショックですね。

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