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白人女性のブロンド呪縛。『セックス&ザ・シティ』&『はいからさんが通る!』

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少女マンガにみられるブロンド信仰

 アメリカのブロンド信仰は形を変えて日本にも流入した。

 1970年代の少女漫画の主人公たちは軒並みブロンドだった。純日本人であるはずの少女の髪が、真っ黄色に塗られていたのである。「登場人物全員の髪が黒ばかりではビジュアル的につまらない」という理由もあったと思われるが、『エースをねらえ!』の“お蝶夫人”こと竜崎麗華など、どこからどう見ても白人だった。そのエクストリームさが後に再評価(?)され、30年以上の時を経て『お蝶夫人のコラーゲン白湯鍋』、プルーン飲料『お腸夫人』など、お蝶夫人のキャラを立てた食品が企画、販売されている。

 やはり1970年代に大ヒットし、今年11 月と来年に2部作として劇場版アニメが公開される『はいからさんが通る!』も、原作の漫画では主人公の花村紅緒、恋のお相手の伊集院忍が、これまた真っ黄色なブロンドヘアで描かれていた。

 上記2作のブロンド現象は興味深い。『エースをねらえ!』は、当時はモダンでかっこいいスポーツであったテニスの話ゆえ、バタ臭いキャラクターが作られたことは一応の納得も出来る。しかし『はいからさんが通る!』の舞台設定は大正時代である。純日本人の主人公が金髪なのは、今考えると相当に突飛だ。しかし、それも全く気にならないほど当時の日本には無意識化の白人への憧れがあったのだ。伊集院忍がドイツ人とのハーフという設定もそれを裏付ける。当時の日本軍に白人とのハーフで金髪(しかもロン毛)の少尉が果たして存在し得たのかなど、全くどうでもよかったのである。

 かなり後になって日本では髪をブロンドに染めることが大流行した。この時は男性も含まれており、1970年代の単純な白人崇拝とは別の文脈によるものと思えた。が、日本のファッション雑誌のモデルに今も白人や白人とのハーフが多いことは、やはり以前からの脈々とした流れであろう。

 かくいう筆者も当時は何の疑問を抱くこともなく金髪少女漫画を読み、憧れ、ファッション雑誌の白人モデルを眺めて育ったクチだ。あまり偉そうなことは言えないのである。

※ブロンドのセレブ35人:テイラー・スイフトからジェニファー・アニストンまで(The Blonde Hair Dictionary: Defining Literally Every Shade Under the Sun)
http://www.marieclaire.com/beauty/news/g2607/blonde-hair-dictionary/

(堂本かおる)

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