ママ手作りの離乳食は安心・安全・愛情たっぷり、という刷り込みへの疑問

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手作りは果たして安心安全か、という不安

前述の書籍をざっと読んだ最初の私の感想は「やっぱりベビーフード(以下BF)でやっていきたい」というものだった。

それでなくても仕事と家事で時間の余裕はないし、つかまり立ち・伝い歩きをするようになった息子からは目が離せないし、書籍を読んだことで「離乳食とはやっぱりここまで手をかけなければならないんだ」という負担から苦手意識が一層強まってしまった。

そもそも、離乳食を手間暇かけて作るメリットって具体的にどんなことなのだろう?

こんな疑問を抱く段階で、子育てにまつわる他の項目と一緒で「今の母親は手抜きだ」と古い世代の人は思うかもしれない。

私も昔、知人男性(あるいは姑側?)から「嫁がBFばっかり頼っていて手抜きばかり。どうなのかと思う」という愚痴のような話を聞かされたことがあった。今までにもさんざん書いてきたが、育児=精神論で何とかすべき、というのが古い人の多くが持っている考えなのだから、手作りの離乳食=善でBF=悪となってしまうのは容易に想像できる。

しかし、時代が変わり、女性も働かなくては家計を維持できない=育児に手間をかける時間がそんなにない、というのが現実だ。いくら子供を大切に思っていたところでこれはもう、仕方のないことだ。

そういう時代背景が当たり前になってきたからこそBFも各社こぞって色んな種類を発売しているのだろうし、それも簡素なものではなく驚くほど手の凝ったメニューが増えている。BFコーナーに行くと種類の多さとクオリティの高さについ立ち止まり、商品を手に取ってしまう。

共働き家庭の忙しい母親にとっては本当にありがたい商品。だから、「子供は手間暇かけたものを食べさせて育てるべき、BFなんてかわいそう」というただの精神論にはまったく賛同できないのだが、問題はコストの部分と、それらを離乳完了期まで使い続けることで食育的に問題はないだろうか? という懸念だ。

先述したが、BFはひと月単位で考えれば決して安くはない。商品にもよるが1食だいたい100~150円程度。まず私を悩ませたのはお財布事情だった。

続いて、既に出来上がっている食品を食べ続けることに問題はないか? という心配があった。私たち大人でさえ、レトルトばかりでは健康面で影響を及ぼすと警鐘を鳴らされているというのに大丈夫なんだろうか。

しかも、前出の書籍を読む限りじゃ「こんな所まで気を使うの!?」と驚くくらい赤ちゃんへの配慮が“必要なこと”として描かれており、それぐらい食べ物が小さな身体に与える影響というのは多大なるものなのだと印象づけられた。普通の離乳食本でこうなのだから、自然派推奨系になると「食は命の源」なんてがっつり書いてあり相当病みそうである。

しかし、それならそれで、自分で作るほうが何だか怖いという思いもある。本の表紙にもキャッチーな感じで「安心♪安全♪ママの手作り♪」とか書かれていたが、スーパーで食材を選ぶ段階から調理、保存に至るまですべて素人の人間がやるとなれば、必ずしも安全ではない。たとえば食中毒の懸念は拭えないのではないか?

それならBFのほうが、品質面で様々な検査(今では放射線検査なども取り入れているらしい)をクリアし、月齢に合った食材や調味料などを使ってできているものだから安全っちゃ安全だ。

内臓も骨格もまだまだ未熟で、存在自体が吹けば飛ぶような小さく繊細な身体を育てているからこそ、慣れない母親にとってはBFのほうが安心だ! と思い、私はしばらくの間BFのみを与えた。

おかゆひとつを作るのだって、大人が食べる用なら何とも思わないが、何か間違って赤子に取っては毒となるような鍋のアルミが解けたやつが入ったら……とか考え出したらキリがない(私が異様なほどに心配性っていう理由もあるけど)。

つまり、自分の作ったもの次第で赤子を生かすも殺すもできてしまう(大げさだが)と思うと、生の野菜を買ってきて調理して与えるなんて何だか怖くて無理だった。

それこそ息子の月齢が進み、免疫力もできてきて、ほぼ何でも食べられるようになった月齢10カ月の今じゃ、ちょっとのことじゃ死なないと思えるようになってきたけれど。やっぱり最初の「母乳またはミルクのみ」の食生活からいきなり食べ物を与える瞬間というのは、私ほどじゃないにしても誰だって緊張するものじゃないだろうか。

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