早期発見・早期治療というけれど…乳がん検診の精密検査を受けた話

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(UsakoGekoyama)

今回は「健康」の話です

去る2月上旬、一介の会社員である私は、会社の加入する健康保険組合の案内による年に1度の健康診断を受けに、都心の巨大なオフィスビルにある洗練された健診用クリニックの待合室にいました。もうかれこれ10年はここで年1の健診を受けており、乳がん・子宮頸がん・心電図や超音波などなど一通り体の具合を確認してもらっています。30歳を超えてからは地獄のバリウム検査も加わりました。何が地獄って、飲んだ直後(いや、喉を流し込む最中)から死ぬほど吐きたいのに、絶対に吐いてはいけないということですよね。

これまで特に問題が見つかったことはなく、検査結果の通知書には「痩せすぎ、太りましょう。禁煙しましょう。お酒を減らしましょう。運動をしましょう」と記されるのみ。だから毎年この時期だけ健康意欲が高まるのですが、今年はちょっと違っていました。まず健診の最後、すべての検査を終えてから内科医による問診タイムがあるのですが、名前を呼ばれて診察室に入った瞬間からなんとなく雰囲気が違う。初対面のお医者さんはこう言いました。

「右胸には以前から良性のしこりがありますよね。でも左側のこれ、……自分で気が付きませんでした?」

えっ。なんにも気付きませんでしたけどっ。

「これね、乳がんの精密検査を出来るだけ早く受けてくださいね~」

えっ!!!! ……なんか軽くないですか!? 出来るだけ早くって何? てか、乳がんの可能性あるんですか!? 驚きすぎて表情にも言葉にも何も出せず、「あ、はい……」とだけ言ってすんなり退室してしまいました。もうその直後から後悔。もっと詳しく聞くべきじゃなかったんか。精密検査ってここでやるんですか、予約すぐ取るものなんですか、結果の書類が届く前でも出来るんですか、ていうか自分で触ってもしこり認識できないんですけどそれは。

ちなみにこのとき私が受けたのは、マンモグラフィーではなく超音波検査です。20代の頃にマンモグラフィーを受けたこともあったのですが、非常にボリュームの薄い胸をギューッと引っ張られてこりゃ痛くてかなわん、正確性にも疑問が提示されてるし超音波でいこう★ と、ここ数年は超音波検診を選択していました。超音波もそれはそれで、めちゃめちゃくすぐったくてツライんですけど。くすぐったいよりは痛いほうが私は好きです。

そんなことより、精密検査。健診の問診直後は、とりあえず会社戻って仕事をし、子供を保育園にお迎えに行って帰宅し、家族と夕飯を食べました。しかし内心、「今自分の体がどうなっているか自分では全然わからないけど、もしかしたら何か病気になってるかもしれないんだ」という不安がムクムク膨らんでいて、この日から数日間は心ここにあらず。とにかくとっとと精密検査を受けたいけれど、まずは先日の健診の結果票が手元に届かなければ、どこか専門のクリニックや総合病院を受診することも出来ないそうなので、ひたすら待つしかありませんでした。

この結果票がいつ届くのかわからなかったので、クリニックに電話をして「問診で精密検査に行ってくださいと言われたのですが、結果票はいつ届きますか?」と伺うと、「2~3週間後になります」。け、結構かかりますね……嘘でしょ? そしたら3月になっちゃう。そんであっという間に4月になっちゃう。もしこれが『がん』だった場合、この数カ月でどんどん進行したり下手したら転移したりしちゃうこともあるんじゃないんですかっ!? とパニック状態に陥った私は「もう少し早めにしてもらうことって難しいですか? なるべく早く精密検査の予約だけでも取りたいんですけど」と粘り「なるはやで頑張ります」との返事を得、結果、健診当日の10日後に郵送で手元に届きました。なるはやで頑張ってくださいました。

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