ミシェル・オバマが見せた「ナチュラル・ヘア」の衝撃 名前も言葉も髪型も白人社会化を迫られた歴史

文=堂本かおる
【この記事のキーワード】

 前回はアメリカの白人女性がいかに金髪に取り憑かれているかを書いた。

白人女性のブロンド呪縛。『セックス&ザ・シティ』&『はいからさんが通る!』

 今回は黒人女性の髪の秘密と魅力を書いてみる。

 4月2日、ツイッターにミシェル・オバマの「ナチュラル・ヘア」の写真がアップされ、一大センセーションを巻き起こした。瞬く間になんと10万近い「♥」が付き、多くの黒人女性が歓喜のコメントを寄せている。

「ハレルヤ!」
@NotMePresident

「オーマイガ、ついに!」
@meagnacarta

「なんて完璧なナチュラル・ビューティ。彼女は完璧」
@RachelMasonArt

 「ナチュラル・ヘア」とは、黒人女性がストレートパーマをかけずに生まれつきの縮れた毛質のままでいることを指す。アフロヘア、コーンロウ(編み込み)、ドレッドロックス、ショートヘア……他にもバリエーションは豊富にある。

 しかし、近年の黒人女性セレブの多くはストレート、またはストレートにカールやウェーブをつけた髪型だ。ニューヨークの黒人街ハーレムには黒人女性のためのヘアケアグッズの専門店がたくさんあり、筆者は時々、日本からの観光客を案内する。すると会話の中で「え!? ビヨンセって地毛じゃなかったんですか?」と驚かれることがある。

 ビヨンセは常にロングのストレートか、ストレートにウェーブをかけたように見える髪をしている。ウィッグか、ウィーヴと呼ばれるヘアエクステンション(エクステ)を駆使したものだ。ビヨンセが地毛でステージに立つことはまずない。

ビヨンセの髪型の変遷(The Beyonce Beauty Book) 

 “クイーン”と呼ばれるビヨンセが比較的安定したヘアスタイルを好むのに対し、現在、来日中(4/2現在)のリアーナは“バッドガール”を自称するだけあり、髪のスタイル、色、長さが過激に変化する。これほどの変化が可能なのはウィッグ、ヘアエクステンション、地毛をうまく使い分けているからだろう。

リアーナの髪型の変遷(The Complete Evolution of Rihanna’s Hair In chronological order.)

1 2 3

「ミシェル・オバマが見せた「ナチュラル・ヘア」の衝撃 名前も言葉も髪型も白人社会化を迫られた歴史」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。