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私の周りの子持ちの友人(子供の年齢は1歳児~15歳児まで幅広い)で、現在、子供が一人っ子である割合は半数を占める。
はっきりと「一人しか生まない」と決めている人の理由としては、「もう一度帝王切開するのがムリ」「経済的に余裕がない」「シングルマザーだから」など。
それぞれ事情があるようだが、彼女たちやその配偶者たちが兄弟姉妹のいる家庭で育ってきたことを考えると、昔よりも一人っ子の割合は増えているようだ。
私自身は一人っ子である。
両親は私が0歳の時に離婚し、母はシングルマザーとなった。その後母は再婚しなかったので必然と兄弟はできなかったのだが、小学校の時のクラスには「一人っ子」はごく少数しかいなかった。
だから私自身も「兄弟が居るのがデフォルト」だと何となく認識していたけれど、なぜか兄弟姉妹がいないことを「寂しい」と感じたことは人生で一度もなかった。
国立社会保障・人口問題研究所が出生に関する調査を行ったところ、一人っ子の割合は1977年で11%、2010年には16%だとのことだ。
これだけを見ると、たった5%しか伸びてないの? と思うほど、周囲には「一人っ子」の割合が多いように思うが、2017年の現在は、16%よりさらに伸びている可能性もある。また、在住地域ごとの特色もあるだろう。私は物価が高いでお馴染みの東京に住んでいる。
女性の晩婚化により初産が35歳以上の高齢出産に該当する女性や、不妊治療の末に授かるというケースも現在は決して少なくない。そうなると安易に二人目を考えるのは難しいだろうし、世の中の不景気により経済的にゆとりがない家庭が増え、複数の子を育てられる余裕がないというケースも珍しくないようだ。また、母親自身が晩婚化であることにより、年老いた親の介護を同時進行しなくてはならず、何人も子育てができる余裕がないという人もいる。
とにかく昭和の時代と比較すると、様々な事情が大きく変化しているわけだが、やはりこのご時世であっても「子供は兄弟をもつべき」という考えは深く根付いていることをしばしば実感する。
もちろん考え方は人それぞれであり、「子供は〇人がベスト」という持論を持つのは自由なのだが、「子供は一人がベスト」と考える人は少ないように思う。
私も経験した通り、昔は兄弟が居る友達のほうが圧倒的に多かったわけだし、数字だけを見ても「兄弟がいるのが普通」という見方をしてしまうのは仕方ないことなのかもしれない。
しかし、それを他人に押し付けるのは違うし、そのメリット・デメリットを深く追求もせず安易に口にするのも私は嫌いだ。
一人っ子のメリット・デメリットとは?
繰り返しになるけれど、私は一人っ子として育った。そんな自分を可哀想だとも不幸だとも思ったことはない。
しかし、世間には「兄弟がいないのは可哀想だ」という価値観があって、それをぶつけられたことは一度や二度ではない。
私は母の離婚成立後から母の実家で暮らし、曾祖母・祖父母・叔父・母と大勢の大人たちに囲まれて育ってきた。
家庭の中での私はいつも「主役」であり、大人たちが自分に注目し愛情を注いでくれているのがとても幸せだった。どこに遊びに行っても、私が取る行動一つで大人たちが反応し、私の成長一つでいちいち喜んでくれた。甘やかされたというのともまた違って、しつけは厳しくされたし叱られることも多かったが、家族がみんな唯一の子供である私を見てくれていることはわかっていたから安心できた。