川野:耐震補強工事の方法はいろいろとありますが、こういった鉄骨で周囲を囲むスタイルも一般的ですね。ここで心配な点は、東日本大震災で破損してしまったのを修理した可能性もあること。そうではなく単純に新耐震基準に合わせて耐震補強工事をしたのなら、見た目はともかく安心できるポイントなのですが……。そこは不動産仲介会社に確認してほしいところです。
不動産広告以上の、情報を拾う
まりえ:破損を修理しているなら、なおさらマイナスですね。でも、たとえ耐震補強済みということだったとしても、この外観は御免したいです。

参考写真:鉄骨で外部を覆うのは、耐震補強工事では、一般的なスタイル
川野:だとしたら、将来、耐震補強工事をしなくてもよいような、新耐震基準以降の物件に選択の幅を絞る、ホームインスペクション(住宅診断)を利用して専門家に助言をもらうなど、買う前に耐震性にこだわった方がよいかもしれません。
まりえ:それにしても、この物件の側面に鉄骨が張り付いているなんて、不動産広告に掲載されている写真では分かりませんでした。角度のよい写真だけを載せているのですね。できるだけ多くの情報を得るために、内見前にWeb上の地図で物件写真を360度チェックするべきですね、覚えておきます。
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忙しい毎日のなかで内見に出向くのは、なかなか骨が折れるもの。素敵なお部屋との出合いがあればよいのですが、わざわざ足を伸ばしたのに、検討の俎上にも上らないような物件だと、がっかりしてしまいます。事前に気になることは仲介会社に問い合わせる、住所からWeb上の地図写真をチェックするなど、不動産広告を基により深い情報を探り出す技を磨いて、無駄足を避けたいものです。
今回「内見したい!」と思う物件を見つけることができなかったまりえさん。バーチャル診断で得た知識を基に、引き続き物件を探していくとのことです。
(蜂谷智子)