社会

AV業界を健全化するために、具体的に必要なこと/AV業界改革推進有識委員会 発足会見レポート

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業界側の事実認識が少し遅れているのではないか

歌門 私は、本委員会の話を受けたのは、山口弁護士から紹介を受けたということもあるんですが、正直申しまして、受けたとき私の心情は複雑なものがありました。今でも複雑なものは感じております。といいますのは、昨今AV出演強要被害の問題が取りあげられるようになりまして、それに伴って、それまでも明確にはされてこなかったけれど、おそらく他にも女性の人権侵害というのがあるのではないかという問題が浮上してまいりました。そして、報告されている事件などを見ますと若い女性の未熟さに注ぎ込んで言葉巧みにスカウトしたり、気付いたときには逃げられない状況にされていると。もし自分が若い時にAVの事件に巻き込まれたら、適切に対応えできたかというと非常に難しいところだなという印象を持ちました。

 そうではある一方で、業界の方の認識はどうなのかなというのも見ますと、出演者とされる方と業界側には大きな隔たりがあるようで、事実関係、問題点の把握については要領を得ない、業界側の事実認識が少し遅れているのではないかといいった印象を持っていました。そういったことであれば、必要なこと、行われなければならないことというのは非常にシンプルなものでありまして、人権侵害の問題が起きる可能性があるのであれば、何をおいても出演者の人権が侵害されることが阻止しなければならない。これは守られなければならないことだと認識しております。従って私が出演者の人権侵害が行われないようにするために、業界として何をしなければいけないのか。まず守らなければならないことを決めて、また人権侵害が起きないために的確なシステム作りが必要だと感じまして、法律家として出来ることがしたいと考え、本件を受けた次第でございます。

 基本原則でありますが、詳細は山口弁護士がお話しましたが、ざっくり申しますと「出演者の人権・安全」を守るために、契約、打ち合わせ、撮影など一連の制作過程における意思決定の内容を明確にすること、そして出来る限り記録に残すこと。そうすることで出演者の意思に沿わない不本意な作品の制作や流通が行われないようにするよう配慮する、という内容になっています。そうすることで紛争を予防するということ、紛争の際も事実関係や問題点を把握できるようにするということ、そして結果として出演者の方の人権が適切に守られるようにすること、こうするべきだと考えております。

 現在の適正AV業界の倫理および手続きに関する基本原則ですが、現在は専門的、一般的に業界を守るべき人権や安全衛生などについて設けておりますが、具体的な状況に応じた具体的な規定が必要であれば常に適応して、具体的にしていくべきだと考えております。

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