
生き延びるためのマネー/川部紀子
こんにちは!ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。
先日、総務省より2016年度家計調査「貯蓄・負債編」が発表されました。この調査では、国民の貯蓄・負債状況などが調べられています。今回はこの調査を参考に、平均貯蓄額について一緒に考えてみてほしいと思います。これからは、お金関連の事柄に「格差」が付いてまわります。自分がいろいろな「格差」の残念なグループに入ってしまわないように、対策を考えていきましょう。
なぜ平均貯蓄額に届かない人が約8割も?
貯蓄が増えている実感を持つ人が少ない中、2016年度の平均貯蓄額が4年連続で増加し、2002年以降で最高額を打ち出したというニュースは、多くの人を驚かせました。おそらく読者の皆さんも平均貯蓄額1820万円と聞いたら同様の感想を持たれるでしょう。貯蓄ゼロの世帯が3割というデータもあるくらいです。1820万円なんてどう考えてもおかしいような気がします。
おおよその平均貯蓄額である1800万円を基準にしたデータを見てみると、勤労者世帯、つまり普通に働いている現役世代の77.8%が貯蓄額1800万円以下となっています。約8割ですから、普通の人達は1800万円も持っていないということです。実のところ平均貯蓄額を引き上げていたのは高齢者世帯で、実に44.5%が1800万円超とのこと。しかも、勤労者世帯と高齢者世帯の分布を比べると、勤労者世帯の最も多くが分布されている貯蓄額は「100万円未満」で12.8%、それに対し高齢者世帯は「4000万円以上」で18.6%です。
働いてきた年数が違うので当然といえば当然ですが、将来4000万円以上のグループに入ることができるかと言われると自信がなくなりますよね。日本にはこれほどの「世代間格差」があることを自覚しなくてはなりません。
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