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将来的に価値が下がらないマンションをどうやって見極める? 住宅購入を考える女性のための必読本!

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 それこそがむずかしそうですが、同書では「価値維持、あるいは価値上昇の可能性すらある家」を見分けるポイントを、詳細な裏付けとともに解説しています。不動産の価値は、そのときどきの経済状況だけではなく、国の政策や地球環境までもが影響するという、目からウロコの内容でした。

 その詳細は本に譲るとして、長嶋さんが不動産の価値を決める要素として一番強調していたのが、立地。「やはりな~」という感じですが、立地のよさを測るにもさまざまなポイントがあり「土地のステイタス」「駅からの距離」「周辺・生活環境」に加え、「都市計画」もチェックしておいた方がよいそう。

 現在、人口減少による街の過疎化を防ぐために、いろいろな自治体で「コンパクトシティ」の概念が打ち出されています。それは人々の住む範囲を限定し、人口を集中させて、生活に必要な機能や行政サービスを行う範囲を限定する政策です。コンパクトシティ化が決定すると、人口が集中する街の中心部分の不動産価格が維持され、不便になる都市境界線の外側は不動産価格が落ちるという現象が起こります。

 自分が選んだ家が境界線の外側になって、行政から見放されたらショックですよね。ですから「立地のよさ」は将来的な都市計画の範囲も考慮に入れて判断する必要があるのです。

 しかもその都市計画は状況によって随時、見直されるとのこと。「じゃあどうやって立地のよさを判断すればよいの?」となりますよね……。自治体がすでに発表している計画をチェックするだけではなく、自治体の政策や、沿線ごとの人口格差、災害対応力などを分析し、自身で予測を立てることも大切なようです。

立地がいいマンションは価格上昇が見込める?

 10~15%の優良物件を選ぶなんてできそうにないから、いっそのこと不動産を買うこと自体をやめてしまおうか? そう思う方もいるかもしれません。確かにそれもひとつの考え方でしょう。同書にも「誰もが買った方がよい」とは書かれていませんでした。

 ただ注目ポイントは、都心で立地のよい中古マンションに関しては、これからさらに値上がりしそうだということ。首都圏の中古マンション価格は上昇基調が続いて、2016年には首都圏中古マンション市場が初めて新築の市場を上回りました。

 それはリノベーション住宅の流行や、さくら事務所が提案する「ホームインスペクション(住宅診断)」が広まってきたこととも関係がありそうです。以前は「築30年経った建物は無価値」といわれたものですが、部屋を住みやすく改装したり、建物の状態を客観的に調べたりすることによって、中古住宅の価値が見直されてきたのです。

 中古住宅をリノベーションをする人に補助金を出したり、中古住宅販売の際に仲介業者にホームインスペクションの説明を義務づけることを決めたりと、政府も中古住宅を活用するための施策を打ち出しています。

 人気の駅から近い場所にはすでにマンションが建っており、新築を探すのはむずかしいという事情も、中古マンション人気の背景にはあるでしょう。つまり今は「立地」そして「新古にかかわらず建物本来のポテンシャル」が重要視されている時代だともいえます(そして同書では、そこに「管理」の重要性も加えてマンションを選ぶとよいと書かれています)。

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