就学前教育の就学率95%の日本で、幼児教育の無償化は本当に必要?

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まとめ

私が住むアフリカ大陸でもこの20年ほどで小学校を中心とする教育の無償化が拡大し、教育が広く普及しました(私が仕事をしている世界最貧国の一つであるマラウイですら、95%以上の子供が小学校に通っています)。教育無償化の本来あるべき目的は、このような教育へのアクセスの拡大であり、就学前教育の就学率が95%もある日本でこれを導入する意味合いを見出すことは難しいと思います。

そして、アフリカ大陸では、広く教育が普及したにもかかわらず、貧困は依然として蔓延しています。これは、教育へのアクセスを重視しすぎて質への注意がおろそかとなり、小学校を卒業しても自分の名前すら書けない子供たちが数多く生み出されてきたからです。ヘックマン教授が指摘するように、幼児教育が高い効果を発揮するためには教育の質が高いことが非常に重要となってきます。

しかし、日本の幼児教育の先生の状況を見るだけでも、日本は幼児教育の質に課題を抱えていることが分かります。幼児教育を無償化しても、今まで家庭が負担していた教育費が政府負担に置き換わるだけで、むしろ政府の幼児教育に対する支出が増加する分、幼児教育の質向上のための資源が圧迫される可能性があります。

今年8月中旬から国際機関の仕事を辞して、アメリカで5年間の学生生活を始めます。私には今はまだ子供がいませんが、将来発生するであろう子育ての費用捻出のことを考えると、とても頭が痛くなってきます。しかし、子供の教育費を節約して安物買いの銭失いになってしまっては、子供に顔向けができません。幼児教育無償化がそれと全く同じことでないか、読者の皆さんもよくよく注意することが必要かもしれません。

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