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「一度でも分譲に住むと、賃貸に抵抗が」愛着を持てる住まいの夢をあきらめないシングルマザー

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姉ケ崎:それに私の家の周辺地域で売りに出ているマンションはすべて、業者が出した適正価格よりは少し高めの金額をつけています。「だから売れてないんでしょ」と言われればそれまでかもしれませんし、ライバルが高めに値付けしているところでズバッと適正価格に値付けして売り抜けることもひとつの方法なんでしょうけど、私の場合は次に欲しい物件を買うために必要な金額が手に入らなければ、今の家に住み続ける判断をします。

ーー今後は不動産価格が下がっていくことが予想されるという前提で、姉ケ崎さんは売却を考えられているわけですよね。一方で、買い手としては将来的には購入価格が下がる見込みがある。それならば、今売ってしばらく安い家賃の住まいで暮らしつつ、将来値段が下がったら新規物件を購入する……という方法はいかがでしょうか。

姉ケ崎:うーん。もしも賃貸に住み替えて、親子ふたりでかかる家賃が10万円だとしたら1年で120万円かかるんですよね。10年待てば1,200万円、売却で得たお金が目減りする。そう考えると、得策だとは思えません。

ーー今後、不動産価格が下がるといっても、自分の欲しい物件が何年でどれぐらい値が下がるかは未知数ですものね。その間に払った賃料以上に値が下がればよいですが、今お持ちの家から引っ越したくなるほどの物件だと、そこまで値段も下がらない可能性もある。

姉ケ崎:一度分譲物件に住んだことで、たとえ期間限定でも自分のものにならない住宅にお金を払うことに、心理的な抵抗が生まれました。よく「賃貸でも分譲でも生涯かかるお金は変わらないから、賃貸でもいい」という説を聞きますが、私は疑問です。

家を大事にしたい理由がある

姉ケ崎:家を購入すれば、将来どんなに価値が下がったとしても、自分の居場所を取り上げられることはない。その安心感が大事なのではないでしょうか。私はできれば自分が気に入った場所の、気に入った部屋を所有したいんです。

ーー姉ケ崎さんは、資産価値云々という以前に「家を自分のものとして所有すること」に、こだわりがあるんですね。

姉ケ崎:家が大好きで、あまり外に出たくないタイプなんです。友人や仕事関係の人を家に招くことも多いですね。今住んでいる家は、少しでも愛着が増すようにと壁をペイントしていますが、そんなふうに家に手をかけるのが好きです。私の夢は家を観葉植物でいっぱいにして、ジャングルのようにすること。そのために日当りのよいところに引っ越したいというのも、住み替えを希望する理由です。家を自分の好きなように工夫できないという点でも、仮暮らしである賃貸にはあまり魅力を感じません。

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