社会

JKビジネス「絶対にやっちゃダメ。」と啓発すべき対象は児童ではなく「大人たち」だ

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小池都知事「性被害から自分自身の身を守る、その力を付けてほしい」

 『STOP JKビジネス!』では、JKビジネスのリスクや被害事例を挙げ、7月施行の条例で禁止されることも記される。それはいいと思うが、私がぞっとしたのは、啓発サイト上の一番最後の項目<将来のリスク>だ。そこにはこう記されている。

<将来のリスク>
そんなつもりじゃなかったのに…
インターネット被害(UPされちゃったらずっと残る)
売春や危険ドラッグにつながる(危ない商売はつながっている)
進学や就職に悪影響・・?(やりたいことできなくなるかも)(東京都HPより)

 JKビジネスのバイトをした結果、インターネット上に当人の望まない写真や情報が残っても、売春やドラッグを強要されたり、自分の希望する進路に進めなかったとしても、それが現実だし仕方のないこと、と突き放していいはずがない。救済せずすべて自己責任だとみなしてしまうのか。JKビジネスをやった子なんて将来がめちゃくちゃになってもしょうがない、と?

 国や自治体、そして大人たちがすべきなのは、むしろ上記のようなリスクから児童を守ること、上記のようなリスクをなくすこと、であるはずだ。自衛を促すだけで問題は解決しようがない。

 東京都は、「自画撮り被害」に対しても、やはり藤田ニコルを起用して同様の情報サイトを開設しているのだが、こちらも「裸の写真を撮ったり、メールしたりとか、絶対にしちゃダメ!!」「将来にも影響しちゃうよ! 絶対、気軽にやらないで!」と児童に注意喚起。確かに裸の写真データなど気軽にネットワークに載せるべきではないのだが、恋人などに脅されたり「嫌われたくない」気持ちでしてしまうなどのケースは、こうした警告ではおそらく防げない。データを悪用する側を取り締まっていく必要がある。

 小池百合子東京都知事は616日の定例会見冒頭、『STOP JKビジネス!』をはじめとするに東京都の取り組みについて、「将来の不安がずっと残るんだということをよく理解してもらうような、そういう機会にしてもらいたいと考えております。こうした取り組みを通じまして性被害から自分自身の身を守る、その力を付けてほしいということでございます」と発言している。

 判断力や経済力が乏しく大人に頼らないと生きていけない児童に、性被害から自身を守る力をつけることを要求する。このような考えが周知され、浸透してしまうのは、逆に児童を危険に晒し続けることだと私は考える。

 未だ蔓延するセカンドレイプのように、性被害に遭った人は自分の身を守れない愚かな人である、という考えを児童に植え付けられれば、もし自分が性被害に巻き込まれた時に「自分が悪い」と自責の念を抱き、適切な支援を受けることが出来にくくなる。家族や恋人が性被害に遭った時に「自分の身を守れなかったあなたが悪い」と責めるかもしれない。

 JKビジネスにしろ性被害にしろ売春にしろインターネット被害にしろ、それに関わることで心や体に傷を負う可能性は確かにある。リスクを知らず気軽に手を染めてしまう児童もいるのかもしれない。しかし、そういう事態が起きた際の責任はどこにあって、誰が悪いのか、誰が絶対にやっちゃダメで、誰が気をつけるべきなのか。繰り返すが、大人の責任であり、悪いのは加害者であり、買春やJKビジネスのユーザーであり、絶対やっちゃダメだと自覚すべきは大人たちである。

 今現在、児童である子どもたちも、数年後には成人する。そのとき加害者側にならないよう、また、身近な児童から被害を相談されたときに突き放すことないよう、「大人のルール」こそ周知させるべきではないだろうか。大人への啓発こそがもっとも必要とされている。

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