まりえ:この企画に参加したことも関係あるかもしれませんが、賃貸って所詮は“仮住まい”だと思うようになったんです。同棲は楽しみですが、同棲という中途半場な状態を長く続けるのもどうかと思いますし。
ーー将来的に結婚するためのお試し期間的な感じでしょうか。もしも結婚するなら家も賃貸ではなく購入するということですか?
まりえ:そこまではっきりしたことは言えないのですが(笑)。ただ、妹が独身で30歳のときに家を買ったんです。そして去年結婚したパートナーと、今もその物件に住んでいます。それが、よい雰囲気なんですよね……。分譲物件に住んでいると、「ちゃんと家庭を作っているんだ」という雰囲気が立ち上ってくる気がするんです。客観的に見て、「幸せそうだな」と思いますね。
ーー今回は賃貸で住み替える選択をされたまりえさんですが、家を買いたい思いは以前よりも強くなっているようですね。
まりえ:この企画で分譲物件をいろいろ見たのは楽しかったですし、欲しいと思いました。ただいろいろ学んだからこそ、物件選びの難しさも見えてきてしまって。たとえば耐震性をチェックしなければならないですし、将来的な都市計画のことも予測しなければならない。考えることが多すぎますよね。
独身で買うとしても、「ひとり」では買わない
まりえ:最初は「今は人口が減っているのだから、人気の街にこだわらなければ、お得な物件があるのでは?」ぐらいに考えていたのですが、「今後85%の不動産は価値が下がっていく」といった予測を連載で読むと、物件選びがとても難しいことに思えてきました。
ーー確かに、不動産の価値にはいろんな要素が絡まり合っていて、知れば知るほど選択が難しくなってきますよね。とはいえ、シビアな予想があっても、物件選びが難しくても、家が欲しいという気持ちは変わらないということですね。だとしたら、今後はその気持ちとどうつき合っていかれますか。
まりえ:自分名義の家にしても、将来結婚してから買うにしても、私の性格的にすべての判断を自分で担うのは、厳しいと実感しています。幸い私は妹が購入経験者だったり、また同棲する恋人も不動産に詳しかったりするので、いつかは買いたいという気持ちを大切に、彼らと情報共有しながら道を探りたいと思います。
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不動産を購入するとき、シングル女性がまず気になるのが今後のライフスタイルの変化に対応できるかどうか。もしもシングル用物件を購入した後に結婚などの変化が合った場合も、貸す・売るといった選択肢があることは、本連載でお伝えしてきました。
▼女ひとり、家を買いたいと思ったらまず何を考えるべき? 人生どうなっても損をしないための基礎知識
とはいえ、変化が目前に迫っているとしたら、どんな物件を購入するべきか迷いが生じるのも自然なこと。そんなときは、すぐに行動を起こさず、とりあえず身辺が落ち着くまでに貯金をつくっておくというまりえさんの戦略は、一理あるのかもしれませんね。
(蜂谷智子)
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